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サービス残業で鍛えた俺の精神力は異世界でも役に立つ件  作者: 路地裏の三毛猫
トワイの森編
2/6

02話 ステータス確認

ーーー


「あれ…ここは?」


目の前には村がある。

村人Aとか村人Bとかが住んでいそうな村である。

まぁつまり普通の村だ。

そして、辺りには草原が広がっている。


「お目覚めですか?」


「うわ!」


声がする方へ顔を向けるとそこには金色の綺麗な髪の毛をしたお嬢さんが立っていた。


「私は案内役のエルザと申します。是非、勇者様のサポートをさせてください」


うーん単純に可愛い。

あの女神に会ってから異世界に絶望していたが、

こんな優秀そうなサポート役が付くとは思っても見 なかった。


「よ、よろしくな」


少しカッコつけようとして少しぶっきらぼうな態度になってしまった。

これは俺が久し振りに女の子と会話したからではない。

きっと異世界の雰囲気に飲まれているからだ。きっとそう。


「で、エルザさん…?だっけ。俺はこれからどうすればいいんだ?」


「エルザで構いません。そうですね、まずは村に行って勇者様のステータスを確認してみましょうか」


ステータスか…。

ゲームとかでよく見るあれだよな。

ただ女神が何もくれなかったしなぁ。

ステータスはあまり期待できそうにないが。


「わかった、案内してくれるか?」

「かしこまりました」


いい返事である。

本当に期待できそうな可愛いパートナーだ。


ーーーー


エルザに案内され、村へ着くと、俺は身体能力のテストを受けていた。

見渡すとゲームセンターにおいてあるパンチングマシンのようなパワーを測る機械から、ボックスのようなものに入り、何か数値を測っているようなものまである。

どうやら、色んな種目を行いステータスを測っていくらしい。俺はまずパワーを測ることにした。


「ぐっ」


結構キツイ種目が多い。

会社で突如始まった腕相撲大会で最下位をとったくらい力のない俺はかなり疲労困憊だった。


「頑張ってください勇者様」


エルザの声に励まされながらも、俺はすべての種目をなんとか終えた。


「お疲れ様です。では、勇者様のステータスを表示します」


そういってエルザは何やら呪文のようなものを唱え始めると、俺の目の前に白い文字で書かれてあるステータスが浮かび上がってきた。


《ステータス:体力200 攻撃力50 防御力50

精神力50》


うーん。ちっともわからん。


「エルザ、俺のステータスはどうなんだ?強いのか?弱いのか?」

「そうですね、平均といったところでしょうか」


平均か…。やはりステータスには期待できないか。


「勇者様、落ち込んではいけません。大体最初はこんなものです」

「わかった。これで試験は終了か?」

「はい…ん?ちょっと待ってください、勇者様。

ステータスのところに何かスキルがついているようです」


スキル?ゲームとかでなんかよくあるやつだろうか。


「この世界では前世に生きていた世界での性格や生き方がステータスに反映されやすく、たまにスキルとなって現れることがあるのです」

「へぇ」

「えっと、勇者様のスキルは…ザン…ギョウ?この世界にはない言葉ですが、どうやらザンギョウというスキルがついています」


ザン…ギョウ…ザンギョウ…残業!?

もしかして残業のことか!?

残業のスキルってどういう事だ?


「このザンギョウというスキルにより、勇者様の精神力が…通常の値よりも大幅に上昇していますね…

かなりレアスキルのようです。ご主人様、前世で一体何をされていたのですか?」


「えぇ…ただ単に仕事頑張ってただけなんだけど…」


そう答えるとエルザは不思議そうな顔をして、首を傾けていたが、考えても仕方がないととりあえずこの場は無理やり納得したようだった。


「そうですか…スキルについての詳しい説明は、今夜泊まる宿で行いましょう」

「わかった」


ーーーー


宿屋に付くと、フカフカそうなベットがある一室に案内された。


そこで俺はエルザからスキルの説明を聞いた。


どうやらスキルには2種類の効果があってパッシブスキルとスキルツリーというものがあるという。

パッシブスキルは常時発動しているもので、俺の精神力が大幅に上昇しているのはこのパッシブスキルのおかげらしい。


また、精神力が高いと様々な技を覚えることがで き、技を使う時には体内に宿る魔力を消費するらしいのだが、精神力が高ければ、消費魔力の高い技も使えるらしい。


もう1つのスキルツリーは、経験値を上げたり、スキルを使い続けると色々なスキルが使えるようになっていくものと聞いた。

ちなみにこの話をしている間、エルザは、前世での俺の生活が気になるらしく、何回も聞いてきた。

どうやらこの世界に残業という言葉は存在しないらしく、どうやって俺が身に付けることができたのか気になるらしい。

俺からしてみれば、残業がないなんてなんて平和な 世界だという感想しかないし、仕事を頑張っていただけだとしか答えようがないのだが。

それよりも、今日は身体能力の検査で疲れていて、

今すぐにでも眠りたい気持ちがでてきたので、エルザには申し訳ないが、無理やり話を終わらせることにした。


「エルザ、そろそろ眠りたいんだけど俺の部屋はどこにあるの?それともここが俺の部屋?」

「ここです」


この部屋で眠れるのか。

いつもは直接床に布団を敷いて寝ていたので、

フカフカしたベットで眠ることができるのは久しぶりである。


「そうか、じゃあ俺はそろそろ寝るよ。エルザも自分の部屋にいってゆっくりするといいよ」


するとエルザは、少し驚いた表情をしながら、

こう言った。


「自分の部屋…?ありませんが」


え?まさか俺の為だけに一室を借りて、自分は外で寝ようというのか?

もしかして、お金がないのだろうか。

とりあえず女の子を外に寝かせるだなんて、ことは流石にできない。


「えっとお金がなくて借りれなかったのかな?

俺が外で寝るからエルザはここで寝ていいよ」

「いえ…お金はあります。単純に一部屋で大丈夫だと 思ったので、一部屋しか借りてないのですが」

「いやそれは色々とまずいんじゃ…ってちょっとエルザ!」


そう言い終わらないうちにエルザはおもむろに服を脱ぎ、パジャマに着替え始めた。


「なにしてんだエルザ!ダメだって俺には刺激がつよすぎ…あれ?」


そう言ってエルザの姿をよく見ると、エルザの下半身には、俺と同じ。

男の象徴を表すブツがあった。

ゾウさんがいた。


「エルザってさ…まさか」


「男です。だから同室で良いと思ったのですが、私と一緒ではダメだったでしょうか?」


困った顔をしながら、エルザはこっちを見つめている。


うーん、まさか男だったなんて。


こんなに可愛いのに。 さて、どうしたものか。

頭をフル回転させながら俺は自問自答を繰り返し、 1つの結論を出した。


「可愛いからオーケー」


結論を出した俺はエルザと一緒に寝ることにしたが、ドキドキして寝れなかったのは言うまでもない。

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