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夏に転がる退屈

作者: ブルータスの雨宿り

詩・短編を書いてみました

気に入っていただけるか分かりませんが

一生懸命に書いてみました(^_^)

1000文字以内で書いてあります

物語の断片や本の1ページのようなモノだと思いながら

暇なときにでも読んで

楽しんで頂けると幸いです(^_^)

心地よいバスの揺れに負けて眠っていた私は

車内アナウンスに揺り起こされたように目を覚ました。

すると

バスから見えていた都会の街並みは

夏の香りが漂う海辺に変わっていた。


どれだけ眠っていたのだろうか…。

腕時計を見ると針はだいぶ傾いていた。

どうやら

かなり遠いところまで来たみたい。

外の風を浴びようと窓を開けると

陽に焼かれた潮のような香りがバスの中へ入り込む。

まるで故郷へ帰ってきたかのような安心感が私を包み

大きな深呼吸を促してくれた…。


決められた道を通り

目的地へ向けてバスは走り続けて

深呼吸をする度に

次々と変わる景色は退屈をかき消してくれた。


もしかしたら

バスというのは動く博物館かもしれない。


なんてキザなことを考えてしまうから

自分でも鼻で笑ってしまう。

するとその時

渋い声をした運転手のアナウンスが車内に響いた。


どうやらバス停に停車するみたいだ。


バスは使いこまれたブレーキ音が響かせながら

溜めていた息を吐くような音をたてて停車した。

そのバス停から

はしゃぐ子供とそのお母さんが乗ってくる。

買い物にでも行くのだろうか。


子供は母の手を握りながら自分の欲しい物を口を一杯に開けて伝えている。

なんとも幸せそうで微笑ましい光景だろう。


ただ

それを見て私は思った。


「私はどこで降りようか…」と…


この移動を「夏の逃避行」といえば聞こえはいいけど

本当は単なる夏休みの暇潰し。

莫大に空いた時間など

予定が無ければ退屈が心を蝕むだけの拷問だ。


だから今の私は

暇潰しにバスに乗って移動しているのだけど

目的地はないから多分

どのバス停にも降りたくなることはないと思う。


だって

この気持ち良い風を簡単に感じる為には乗ってる以外に方法はないもの。


まぁ

そうは言ってみたけど

いつまでも乗ってることが出来ないのは分かっている。


さて、どうしようか…。


この風が気持ち悪くなった頃にでも決めましょうか。

それまでは窓から入る風にあやされて眠る。

あの子供ようにまた眠っていようかな…。

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