訪ねて村長
「いらしゃい」
「お邪魔します」
玄関で出迎えてくれたのは、僕より二回りは年の差がありそうな壮年の男性だった。
体つきがしっかりとしていて、日に焼けた肌をしているから普段は農作業でもしているように思えた。
「貴方が村長ですか?」
「はい。そうですよ」
僕は、一応間違ってはいけないため聞いてみた。
「どうぞ、奥までお上がりください」
「ありがとうございます」
先を行く、村長について行くと通されたのはリビングらしき部屋だった。
内装は、家の見た目と比べたら豪華ではなかったけど、どこか落ち着くような雰囲気を持った部屋だった。
村長が、椅子に座り向かいの椅子に座ってくださいと手で示した。
僕とエイラさんは、二人で隣になるように座った。
「どうして二人は私の家に?見たところ、この村の住民ではなさそうですが」
聞き手側に、安心感を与えるようなゆっくりした声で喋ってくれるので、知らない人と喋るという感覚が無くなりそうだった。
「私達は、元住んでいた場所を追い出されて、行くあても無くさまよっていたら、この村を見つけたのでもしかしたらここに住まわせて貰うことが出来るかもと思い来ました。そしてこの村の住民に話を聞き村長の家はここだと聞き訪ねてきた次第です。」
本当の事を答えられるわけが、無くどう答えようか迷っていたら隣に座っていたエイラさんが、天使の時に見た真面目モードの顔で、嘘の理由を答えてくれた。
「それは災難でしたね。けどそれだけでは村に住まわせる事は出来ません。なぜ追い出されたかも詳しく教えてください。」
村長の目は、真剣でもし僕達が犯罪者だったら罪悪感で自白でもしそうなくらい鋭かった。
けど、ボク達は犯罪者では無いけどこの事はどう説明するのか気になって横を見ると、先程と変わらない冷静な顔をしたエイラさんがいた。
「すいません。追い出されたと言う表現は違いましたね。正しくはそこから出るしかなかったですかね。」
「それはどういうことです?」
「横に居るユウリさんに理由があります。それは、」
…え…エイラさん僕達がこの世界とは違う所から来たって事を言うつもりなのかな?
それっていいのかなと心で心配していたら、机の下で手を握られて安心した。
エイラさんの手には私を信じてくれと言わんばかりに力が込められていて、こんな僕の為に真剣になってくれるていることに少し泣いてしまいそうになった。
「この人凄腕すぎる鍛冶師なんです。」
「「は?」」
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