雪の中であつあつデート
街中をコートを羽織り、お揃いのマフラーでクリスマス一色のイルミネーションの中を歩く。
みなもと秀久がいた、手を恋人つなぎして仲良く歩く。
「もう、街中もクリスマスだね、秀久くん」
「ああ、こうもきらびやかだと、なんか落ち着かないけど」
手袋ごしに手のぬくもりをかんじる二人は誰からみてもとてもあつあつな恋人同士に見える。
「イルミネーションもきれい」
「だな、しかしよくここまで飾れるよな」
みなもがそう言うと秀久はぽつりと呟いていた。
それを聞いて苦笑を浮かべるみなも。
「みんな、聖夜が大好きなんだよきっと」
「そーいうもんか?」
みなもの意見にいまいち理解しがたい様子の秀久。
「あ、かわいい」
「ぬいぐるみか、みなもはこういうの好きだよな」
ショーウインドーを見て近寄る、みなもの後ろから近寄る秀久。
ちなみに見ているのは狼と羊のぬいぐるみである。
「はい、かわいいから♪ あ、アクセサリーもみても?」
「ああ、いいぞ」
みなもに聞かれてうなずく秀久。
手を引かれて楽しそうにアクセサリーショップにはいる。
髪留めやリボンなど、いろいろ手にとり見ては鏡を見て確かめている様子のみなも。
それはとても楽しそうに見える。
「ケーキがある喫茶店があるから、注文してケーキを食べよ♪」
「わかったけど、すべってこけるなよ」
手をひかれる秀久は苦笑を浮かべるがみなもは笑顔である。
そのまま歩き出し、喫茶店に入り、マフラーとコートを脱いでお互いにケーキを注文する。
「どうして、秀久くんはいつもふらふらと出歩くの? それで怪我がたえないのに」
「やっぱり、困ってるやつは見過ごせないだろ?」
紅茶で暖まりながら問いかけるみなもに秀久は笑う。
「その気持ちはわかるけど、でも・・・・」
「大丈夫だって、怪我だってそう大したことないことが多いし」
うつむきながら言うみなもに髪を優しくなでて笑う秀久。
そうこうしているうちにケーキが来て食べる二人。
「はう、おいしいです」
「ほんと、幸せそうに食べるよな」
とろけそうな笑みで言うみなもに秀久は目を細めて言った。
「・・・・お母さんもケーキが好きだったんだ。 だから、遺伝かもしれない」
と、少し寂しそうにみなもは笑った。
家に帰っても誰もいないのはみなもも一緒だということに秀久は気づいた。
彼女の父親は考古学者だ、いつなんどき怪我などをしてしまうかわからない。
そんな危険な職場である、だからいつも寂しい思いをしていた。
それが彼女の幼少の頃からあった。
でも、友達もできて一緒に過ごすようになってきて寂しさは軽減されてはいるのだ。
「なあ、みなも。 いっそ同棲するか?」
秀久の発言に硬直してまっすぐ見つめるみなも。
彼の顔はかなりの真剣だということに気づいたのもそのときだ。
嬉しいが、秀久に迷惑ではないかという不安がよぎる。