6話、初戦闘
少し短めです。
今回は少し暗いです。
主人公の頭の中をパッパラパーにして少し人格を壊すつもりです。
今、こちらは敵に気付かれていない。
この有利を使わない手は無い。
ゴブリン達に気付かれないように移動する。足音を立てないように、出来てるか分からないが気持ちで気配を殺し、ゴブリン達の後ろに回り込んだ。
ゴブリン達との距離は30mちょっとだろう。
確か、影槍(3話に使った魔法)は40m程伸びて割と硬い木を貫いていたが、どこまで、狙った所を貫くことが出来るか分からないから、この30mは少し遠い。
しかし、片方を上手く貫いても敵は2匹いる。余り近づき過ぎると攻撃に気付いたもう1匹に接近される恐れがある。
だが結局、外して2匹に追い回されるよりマシと考えて近付く事にした。
ゴブリン達が歩く速度より少しだけ速い速度で近付く
ゴブリン達が警戒してないせいか、距離が20mを切っても気付かれる様子は無い。
距離が15mほどになった瞬間魔法を使う。
イメージして、
魔力を感じて、
魔力に乗せる。
魔力にイメージを乗せた瞬間ゴブリン達が反応して振り返った。しかし、気にせず素手のゴブリンに影槍を撃つ。
直撃、木に撃った時より距離があったがゴブリンの右目から後頭部に20cm程の穴が真っ直ぐ空いた。
しかし、当たった喜びよりナイフ持ちのゴブリンが予想より早く動き出してそのスピードがこれも予想より速い事に少し焦る。
まだ、切られる距離では無いので冷静になって魔法を撃とうとする。だが、影槍のイメージより明確なイメージが邪魔をして上手に影槍のイメージが出来ず、ナイフ持ちのゴブリンがもう目の前に来ていた。
しかし、今度は焦るどころか逆に冷静になっていた。
ゴブリンが右手に持ったナイフを振り上げ、大振りに振り降ろす。
俺はそれを余裕を持って左に躱し、ゴブリンの視界から一瞬外れる。
そして、振り下ろしきったゴブリンの右手首を右手で掴み、ゴブリンの右肩を左手で押し込みながら足を引っ掛ける。
ゴブリンは空振りバランスを崩している所に肩を押されながら足を引っ掛けられた事で簡単に転がりうつ伏せで倒れた。
その上に俺が乗りゴブリンの右肩を抑えながら右手首を捻りながら左に引っ張る。
ゴギィ
鈍い音がしながらゴブリンの右腕が折れたのか脱臼したのかありえない方向で脱力している。
「グゲァァァッ‼︎」
ゴブリンが何か喚いて左手をジタバタさせて抵抗しているが右腕のように簡単に脱臼させて、抵抗を封じる。
マウントポジションを取りながらゴブリンが脱力して落とした。ナイフを右手で持って左手でゴブリンの頭を右向きで押さえる。
ナイフをゆっくりゴブリンの眼に近づける。
ゴブリンは喚くのをやめて、怯えたように近付くナイフを見つめる。
そして、ナイフが右眼に触れ、右眼を抉り、ゴブリンが痛みに吠え、血が溢れる。
しかし、眼の奥にナイフが到達した途端、ゴブリンは痙攣しだして、簡単に絶命した。
これが、魔法のイメージの邪魔をした明確なイメージ通りに動いた結果だった。
酷い殺し方をしたと思う。しかし、
生き物を自分の手で直接殺したのに、
ゴブリンの右眼を抉り回したのに、
何も思わない。
ナイフを持った右手がゴブリンの返り血で真っ赤に染まっても、
生命を奪う激痛を訴える断末魔を聞いても、
ナイフの影から少し見えた激痛からの絶望と死の恐怖に染まった左目を見ても、
何も思わなかった。
それどころか、とても甘美な快楽が体を蝕む。
俺は感じた。
俺の日常が崩れてしまった事を、
俺はもう日常に戻れないかもしれない事を。
ピロンッ
《レベルが上がりました。》
メニューの通知を聞きながら俺は少し森の木々の隙間から見える空を見上げた。
大丈夫です。主人公がどうやって救われるかまで考えてあります。
TSは10話前後でする予定です。
戦闘中に出てきた脱臼させる方法は作者の適当な妄想です。決して真似をしない様に(真似出来る程表現力が足りて無いとかは無しで)
今後から平日は不定期、土日は仕事が無い場合書く感じにまた変更しようと思います。
申し訳ございません。
書くのを止めることは無いので、今後ともよろしくお願いします。