表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

書きたいものを書いていくスタイル。

長く続けられたあらいいなぁ。

吸血鬼もの プロローグ


薄暗い部屋の中、とある研究を完成させた男が抑えきれない喜びを高笑いで表現する。


「ふはははははははぁ、っげほっげほっおっくおはははっげっほごほ」


男は高笑いから咳き込み苦しそうではあるがその気分はとても良さそうである。


「ようやく・・・ようやく完成した!これぞこの世で最も愛すべき我が理想!」


愛おしいものを見るように薄緑色の液体で満たされている円柱のガラスケースを見つめていた男は顔をガラスケースへと近づける。その中には全裸の少女が浮かんでいる。

一糸纏わぬその姿は少女・・・というにはあまりにも幼く『幼女』といってもいいだろう。

その『幼女』は男が研究したどり着いた理想・・・。

理想を現実へと昇華させ興奮している彼は正に『研究者』といったものだった。

白衣を纏い、丸メガネをかけ髪を整髪料でガッチリと固めてある。

その髪は白くメガネの奥で怪しげに見える目は赤くとある種族を連想される。

『吸血鬼』

この世界では絶滅したとされる種族である彼は自らの長い寿命を全てある研究に捧げた。


「ハアハア、ああ愛しいついに私は手に入れた・・・ついに!ついにぃ!!」


その男が完成させたもの・・・

それは世間では禁忌とされる『ホムンクルス』

『人を作るのは神である。』その教えが常識になっているこの世界では彼の研究は異端とされる。

そのため自らの研究を完成させたに喜びを誰かに伝えることもできない。

伝えれば間違いなくその研究は破壊され彼自身の身も滅ぼすことになる。

それをわかっているがゆえに自身の気持ちを誰かに伝えられないもどかしさを感じ、

少し冷静になった男はガラスケースから身を離しその中の少女へと目を向ける。


「この状態を見てるだけでご飯3杯はいけるな・・・」


ウンウンと頷きながら視線を少女の爪先から顔に移動させながら呟く。


「さて、目覚めさせるとしよう」


男は壁にあるレバーをカチリと動かす。

すると天井が光を放ち部屋全体を明るくなる。男は白衣のポケットからいくつもの突起がついた板状の物を取り出しその1つに触れる。


「ポチッとな」


部屋全体からズズズッっと音がなり『幼女』が入っているガラスケース縦に切れ目が入る。

ゆっくりと左右に分かれるガラスケース。その中に入っていた液体が重力に従い切れ目から床に広がるように溢れていく。

中に入っていた『幼女』も液体と共に床にうつ伏せに倒れる。

黒く長い髪、白い肌その全てを彼によって造られた彼女はその姿勢から全く動かない。

男はそんな彼女を抱きかかえ顔を覗く。


「目を覚まさない?いや、寝ているのか?」


不安そうに彼女を見つめつつ少し思案するも、少女が息をしているのを確認しなんとかなるだろうという安直な考えが頭をよぎる。


「とりあえずベットへと寝かせるか・・・トリー!部屋へ入ってこい!」


声が部屋に響き数秒の沈黙の後、部屋の扉が開くとメイド服を着た赤い髪の女性が姿を現し声をかける。


「旦那様、お呼びでしょうか。」

「彼女の体をきれいにして寝室で寝かせてやってくれ」

「畏まりました。」


トリーと呼ばれたメイドは主人の腕に抱えられた少女を受け取りその場を後にする。


「ふははははは!私の人生はここから薔薇色だ!」


人がいなくなったのを確認すると高らかにそう宣言する。

彼が完成させたホムンクルス技術によって創り出されたもの・・・。

それは自分の理想の『娘』であり『嫁』


「さて、目覚めるまでに体をきれいにしてこようっと、ムフフ」




そう、彼は自身の理想の嫁を創り育てようとしているのだった。

誤字脱字や感想などあればいつでも受付中です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ