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舞台の裏でフラグは立った

 「思惑が外れて今どんな気持ちですか? ベルナール・オンズロー公爵子息」


 「正直言って悔しいですね。ですが清々しい気持ちでもあります、ロアナ・キャンベル嬢」



 ロアナとベルナールは試合の後、会場裏で相対していた。ロアナとしてはカナデに前に言われた『ねえねえ今どんな気持ち?ねえねえ』と言うイラつく言動を参考にしてベルナールを挑発したつもりだった。しかし予想に反してアッサリと切り返された事で、内心歯噛みしている。落書き塗れの顔なのに飄々としている所もロアナのを苛立たせるのに拍車をかけた。



 「勝ちは勝ちですから、カナデの要望には応えてもらいますよ」


 「『学園内では絶対に身分を行使しない』でしたか。謙虚と言いますか……欲がないですね」


 「カナデは王族に叶えて欲しい事など元からありませんわ」


 「そうですね。そういう所も規格外です。今回入念な準備をしたと言うのに敗北したのは、私がカナデさんをどこかでただの平民だと思っていたからでしょう」


 「良い勉強になりましたわね」


 「ええ、とても」



 ニコニコと笑いながら火花を散らすふたり。その様子を見て近づく者は皆無だった。



 「これに懲りてカナデには近づかないで欲しいのですけど?」


 「それは無理ですね。さらに貴女達に興味を持ちました」


 「……貴女()?」


 「ええ。カナデ嬢の信頼を勝ち取った貴女は私にはない才をお持ちだ。そして貴族令嬢として話しながらも私を挑発してくる所など実に興味深い。ロアナ嬢、私と特別な仲になりませんか?」


 「お断りします、一生近づかないで下さい。私とカナデの前から消えて下さい。もう話すことがないので失礼しますわ」



 不穏な気配を感じたロアナは即座に拒否の意を示して『気持ち悪い気持ち悪い……』と呟きながら逃走した。公爵子息に言うべきではない言動の為、ロアナはこんなに失礼で常識のない令嬢はお断りだろうと思っていたが、彼女には珍しく逆効果の対処だった。


 何故ならベルナールは、皮肉を言われたり軽く罵られるのが好きなちょいMだったからだ。


 ロアナは優秀とは言え12歳。まだ変態については疎い部分があったのだ。



 ロアナがベルナールの性癖を知るのはそう遠くない――――





Wフラグ乱立(笑)


ちなみにロアナがベルナに靡くことはありえない。



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