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ぽっから  作者: 野良丸
7/12

中学生カップルの日曜日



 まったく、あの姉達は……。

 出掛ける前のことを思い出しながら待ち合わせ場所の駅に着くと、集合時間十分前にもかかわらず凛先輩が立っていました。私に気付いて、片手をあげます。


「……こんにちは」


 両手を重ねて会釈をすると、凛先輩も「こんちは」と返してくれます。


「家にいたら高校生の兄貴がうるさくてさ、つい早く来ちゃったよ」

「……そうなんですか」


 私も似たようなものです、と付け足そうかな。でも、キスされそうになったとか言ったら引かれるかも。


「次の電車が来るまであと五分くらいだからさ。ホームに行こう」

「あ、はい」


 そう返すと、凛先輩はクスリと笑みを零す。知らず知らずに変な反応をしてしまっただろうか。


「あぁ、ごめんごめん。今の言い方が、高校生の兄貴にソックリで、思い出し笑いしちまった」


 改札を抜けながら、凛先輩が笑みを向ける。


「そうなんですか」


 その笑顔にほっと一息したのも束の間。


「あと、相変わらず、七星は電話だと饒舌だな、って思ってさ」


 うぐ、と顔が熱くなる。


「すいません。顔を見て話すのは、やっぱり苦手で……。でも嫌いなわけじゃ……」

「あはは。分かってる分かってる。ていうか、そのギャップも惹かれた理由の一つなんだしさ」


 凛先輩の斜め後ろ、俯きながら階段を上っていく。階段があってよかった。俯いていたら、とりあえず顔は見られないだろうから。


「とりあえず街に出て、昼飯はあそこなんてどうかな。駅から少し歩くことになるけど、新しくオープンした……」


 その言葉を聞きながら、家でも思ったことが、また頭に浮かんだ。

 やっぱり、私達は似たもの姉妹だ。



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