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文系作家と理系作家の違い。

作者: エンゲブラ

ChatGPT君と探ろうシリーズ(そんなシリーズあるの?)。

自分の得意とするところの再確認。

弱点の補強には、何が必要なのかの考察用。

ChatGPT)


1. 発想の起点


文系作家

・人間関係・心理・歴史・社会制度・宗教・言語のニュアンスなどから物語を組み立てる。

・物語の出発点が「問い」よりも「情景」や「人物像」であることが多い。

・例:川端康成、三島由紀夫、トルストイなど。


理系作家

・現象・システム・数理的アイデア・因果関係の構造から世界を構築する。

・「もし○○が可能なら?」という仮説から物語が立ち上がることが多い。

・例:アシモフ、クラーク、筒井康隆(理学部出身)、伊藤計劃など。


2. 世界の捉え方


文系的視点

・世界を「物語」や「記号の網」として見る。

・個人の内面や社会の歴史に意味を見いだし、そこから物語を引き出す。

・因果よりも象徴性や連想を重視。


理系的視点

・世界を「法則」や「システムの相互作用」として見る。

・内面もまた計測・分析の対象としうる。

・美や恐怖もパターンとして理解しようとする。


3. 言語感覚


文系作家

・言葉そのものの音感・比喩・古典的引用に敏感。

・文章がしばしばリズムや語感に支配される。

・曖昧な語、余白や沈黙を活かす。


理系作家

・用語の正確さ、定義、論理的な接続を重んじる。

・「曖昧さの排除」が癖として文章にも出ることがある。

・しかしそれが逆に乾いた詩的効果を生むこともある(例:カフカの冷たい筆致)。


4. プロットの作り方


文系

・人間の感情の起伏や倫理的な選択を軸に物語が動く。

・予定調和ではなく、偶然や逸脱が重要な役割を果たす。

・長編では登場人物の心理変化が物語の「時間」を支配する。


理系

・条件を設定し、その条件から必然的に展開するシナリオを考える。

・設定の変数を一つ変えることでストーリーを分岐させたり、極端なケースを試すことを好む。

・時間軸・因果律・世界設定が強固な骨格になる。


5. キャラクター造形


文系

・個性や背景が複雑で矛盾を抱える人物を描き、象徴的な存在にすることが多い。

・内面独白や微妙な心の揺らぎを重視。


理系

・行動・選択・環境との相互作用によって人物像が浮かび上がるように設計する。

・キャラはしばしば「役割」や「機能」として設計されがちだが、その機械的さが逆に魅力になることもある。


6. テーマ・モチーフ


文系に多いテーマ

・愛と死、記憶、アイデンティティ、宗教・歴史・共同体の物語。

・言語の限界や伝達不可能性。

・運命・偶然・宿命。


理系に多いテーマ

・科学技術の進歩と人間性、認知・情報・シミュレーション、異星文明。

・システムの暴走や臨界現象。

・無限・有限、秩序とカオス。


7. 執筆プロセス


文系作家

・ノートに断片を書き溜める。

・物語が人物や情景に導かれて形をとる。

・執筆の進行とともにテーマが深まる。


理系作家

・プロット、相関図、条件分岐などを事前に設計する。

・設定集が作品の土台を支える。

・結末を先に決めてから逆算する傾向が強い。


8. 読者との関係


文系

・読者の解釈を開いたままにして、余韻を委ねる。

・読後感の「曖昧さ」「詩的飛躍」を大事にする。


理系

・条件を共有させて、読者を思考実験に誘う。

・「なるほど、そうなるのか」と論理の快感を与える。

・読後感はスッキリ系が多いが、ときに冷たくも感じられる。


9. 批評との親和性


文系作家

・文学理論や哲学的議論との相互作用が強い。

・時代の思想潮流に敏感で、それを物語へと変換する。


理系作家

・数学・情報科学・進化論・物理学など学際的知識と結びつきやすい。

・批評というよりは「モデル化」の対象になることが多い。


10. ジャンルの傾向


文系:純文学、歴史小説、恋愛小説、幻想文学、詩的散文など。


理系:SF、ハードファンタジー、ミステリ(特に論理パズル型)、テクノスリラーなど。


11. 文化的・時代的影響


・近代以前の文学では、理系的視点は科学者ではなく錬金術師や博物学者として現れていた。

・20世紀以降はテクノロジーが物語世界を変え、理系的発想を持つ作家がSFやサスペンスで主流化。

・現代ではAIや遺伝子工学、量子情報論などがテーマ化される一方、ポストモダン文学では文系的曖昧さも根強い。


まとめの視点


文系作家は「物語で世界を解釈する」。

理系作家は「モデルを物語にする」。

しかし多くの傑作は、この両者の境界を自在に行き来している。

例:スタニスワフ・レム(哲学的SF)、安部公房(実験的でありながら心理劇)、ボルヘス(論理パズル的で詩的)。


―― こうしてみると、単純な二分ではなく、どこに起点を置くか・どの感性を軸にしているかの違いに過ぎない、と言えます。むしろその交錯こそが現代文学の豊かさを支えています。



筆者)代表的な理系作家といえば?


ChatGPT)「理系作家」という言い方はやや曖昧ですが、ここでは


・理系の学問的素養を持つ

・物語の発想や構築に理系的な思考(法則・システム・思考実験)を持ち込んだ


このどちらか、あるいは両方を満たす作家を挙げてみます。


日本の作家


星新一(薬学専攻)

ショートショートの名手。発想の起点が常に論理的仮説や条件設定にある。


小松左京(京都大学理学部)

SF黄金期を築いた作家。科学的スケールで歴史や文明を描いた。


筒井康隆(同志社大学文学部だが、論理的構造とパロディ精神が理系的)

タイムトラベルや思考実験を小説の構造に組み込む。


伊藤計劃(文系出身だが、情報科学・バイオテクノロジーの知識に基づく構想)

『ハーモニー』『虐殺器官』などで未来社会を精密に描く。


瀬名秀明(薬学博士)

『パラサイト・イヴ』で生命科学と人間の関係を追及。


森博嗣(工学博士・大学助教授)

推理小説・SFともに、論理的な構造や工学的思考が基盤。


上田早夕里

生態系や海洋生物学への深い理解を物語の軸に置く。


高野史緒(歴史改変SF)

文系の出自だが科学史・宇宙論を背景に持つため理系的発想をする。


海外の作家


アイザック・アシモフ(生化学者)

『ファウンデーション』シリーズ、『ロボット工学三原則』など、思考実験を物語化。


アーサー・C・クラーク(物理学専攻、レーダー技術者)

『2001年宇宙の旅』などで科学的リアリティと哲学を融合。


スタニスワフ・レム(医学・哲学)

『ソラリス』『完全な真空』など、科学文明と認識の限界を探究。


グレッグ・イーガン(数学者)

純粋数学・物理法則を前提とした硬質なハードSFで知られる。


テッド・チャン(ブラウン大学コンピュータサイエンス専攻)

『あなたの人生の物語』『息吹』など、言語・物理法則・自由意志をテーマにする。


マイケル・クライトン(ハーバード大学医学博士)

『ジュラシック・パーク』など科学の社会的影響をスリラー形式で描いた。


カール・セーガン(天文学者)

小説『コンタクト』で科学者の視点から宇宙と人間を語る。


アンディ・ウィアー(プログラマー)

『火星の人』は工学的問題解決をエンターテインメント化。


特徴


・理系作家はしばしば「条件を変えた世界では何が起こるか」という実験的姿勢を物語に持ち込む。

・また、現実の科学知識の最新トレンドを物語の基盤に置きやすい。

・文体は簡潔・明晰志向になりやすいが、レムやチャンのように哲学的・詩的な例もある。


まとめ


もし「理系作家」のイメージを一人で象徴するなら――


・古典なら アシモフ(法則とシステム)

・現代SFなら イーガン(数理的・抽象的)

・日本なら 森博嗣 または 星新一(理系的発想の物語化)


といったところでしょう。

―― 筆者は、完全に文系脳だが、それゆえに理系的な思考にあこがれてみたり。

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アリストテレスの学問分類では「理論学(真)」「実践学(善)」「制作学(美)」という分類があったんだですが、小説においても芸術系(美)という分類もある気がしてます。 芸術性の高い小説としては 谷崎潤一…
面白かったです。違いが明確で、わかりやすく書かれており勉強になりました。 大好きな、SF作家さんを沢山取り上げてくださりありがとうございます。 私は15歳から工業高校に通って、そのままエンジニアにな…
お邪魔します。 今回も面白い作品を読ませて貰いました。 分析に、なる程ニヤリ。 自分は理と文の区別がつかないので区分けを放棄した口ですが。 想うに、「理」の作品は筋道を順序立てて、SFなら科学情報を、…
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