第9話 成長と新たな日常
――あれから数年。
俺は12歳になった。
あの頃は泣けば火の玉、笑えば氷の塊なんてこともあったけど、最近は少しずつ魔力を制御できるようになってきた。
「カイル、剣の練習はまだ?」
「……俺、魔法でいいじゃん」
木剣を構えるミリアが俺をにらむ。
彼女は昔より背が伸びて、髪も長くなって、少し大人びて見える。
でも中身は……やっぱりお転婆だ。
「ダメ! 男の子でしょ、剣くらい振れないと」
「いやいや、俺は魔法一択で――」
仕方なく木剣を持った瞬間。
「せいっ!」
「うわっ!?」
ミリアの木剣が俺の頭にコツンと当たった。
「いてぇぇぇ!」
「ふふ、まだまだだね」
……くそ、勝てる気がしない。
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村での生活は相変わらず平和……ではあるけど、俺はどこへ行っても“神童”扱い。
魔法で村人を助けたことも数えきれないし、正直そろそろ普通の子供に見てもらうのは諦めている。
それでも。
俺には一つだけ変わらない目標がある。
(……絶対に平穏に暮らす!)
そう心に誓っていた。
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だが、運命はそう簡単に俺を放っておいてはくれないらしい。
ある日のこと。
街から戻った商人が、村の広場でこう叫んだ。
「大変だ! 最近、北の森に“黒い魔獣”が現れたらしい! 王都の冒険者でも手に負えないって話だ!」
村人たちがざわつく。
俺とミリアも思わず顔を見合わせた。
「カイル……」
「……やばそうだな」
そして、俺の胸の奥で、何かが静かにざわめいた。
(……これは、俺が避けてきた“非日常”の始まりかもしれない)
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