第8話 村を襲う影!?
お茶会という名の地獄イベントをどうにか切り抜け、俺とミリアは数日ぶりに村へ戻った。
やっぱり自分の家が一番だ。藁ぶき屋根でも土の床でも、気楽にゴロゴロできるのが最高だ。
「はぁ……貴族って、なんであんなにめんどくさいんだろうな」
「カイルが目立つからだよ。もっと普通にしてなさい」
「無理です」
俺は枕に顔を埋めながら即答した。
無限魔力チートを隠すだけでも精一杯だ。普通にするなんて逆に無理ゲーだろ。
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その日の夕方。
村の広場に、慌てた顔の村人が飛び込んできた。
「ひっ、ひいっ! 森から魔物が出たぞぉ!!」
村は一気に騒然となった。
斧や槍を持った大人たちが集まり、子供や老人は避難し始める。
「カイル!」
「……わかってる」
俺はミリアと顔を見合わせ、森の方へ走った。
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そこにいたのは――大きな灰色の狼。
目は血走り、涎を垂らし、村の家畜を狙っている。
「グルルル……ガァァッ!!」
村人たちは怯えながら槍を構える。
でも、あんなの素人の槍で勝てる相手じゃない。
(俺がやるしかねぇな……!)
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「カイル、危ないよ!」
「大丈夫。俺に任せろ」
そう言って前に出た瞬間――。
「グワァァッ!!」
狼が俺に飛びかかってきた。
「……おやすみ」
俺はパチンと指を鳴らす。
次の瞬間――狼の体がふわふわと宙に浮き、巨大な風船に変わった。
「わ、わぁぁ!?」
「な、なんだあれ!?」
風船になった狼は「ぷかぷか」と空に漂い、そのまま村の外にフワ~っと流れていった。
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広場は一瞬静まり返り――。
「カイル様ぁぁ!!」
「神童だ!!」
「また救われたぁぁ!!」
村人たちの歓声が響き渡る。
ミリアは呆れ顔で俺を見た。
「……なんでいつも変な魔法になるの?」
「イメージの問題だってば!」
俺は頭をかきながら、心の中で思った。
(……はぁ。ますます“普通”から遠ざかっていくな、これ)
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
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