第7話 お茶会は罠だらけ!?
翌朝。
目を覚ますと、なぜか俺は執事に着替えさせられていた。
「リリアーナ様のお茶会にご招待されております。どうぞご準備を」
「ちょっ……え? お茶会!? 俺、平民だぞ!?」
必死に抵抗するが、あっという間にやたらキラキラした服を着せられた。
鏡に映った俺は、完全に「田舎から来た勘違い坊っちゃん」である。
「カイル、似合ってるよ!」
ミリアはケラケラ笑っている。
いや、笑い事じゃねぇから!
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お茶会の会場は、領主の屋敷の庭園。
テーブルに並ぶケーキやお茶菓子、高そうなティーカップ。
そこに集まっていたのは、貴族の子女たちだった。
「まぁ、あなたが“神童”と噂のカイル様ね?」
「平民だって聞いたけど、本当なの?」
「リリアーナ様と一緒にいるなんて、生意気じゃない?」
――出た。テンプレその二。貴族の嫌味攻撃。
俺は心の中でため息をついた。
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「カイル、気にしないで。ほら、座って」
リリアーナが俺を隣に座らせる。
その瞬間、周囲の令嬢たちの視線がビシビシと突き刺さった。
(おいおい、完全に修羅場の空気じゃねぇか……!)
さらに、令嬢のひとりが挑発的に言ってきた。
「じゃあ、カイル様の“力”とやらを見せてくださらない?」
「はぁ!? ここで!?」
「ええ。きっと皆さまもご覧になりたいでしょう?」
貴族たちの視線が一斉に俺に集まる。
やばい。これはやばい。
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(どうする……!? 無限魔力なんて見せたら即アウトだし、でも弱すぎても疑われる……!)
悩んだ末に俺がやったのは――。
「……えいっ!」
――カップケーキが空を飛んだ。
「わぁ!」
「すごい!」
目の前のケーキがふわふわ浮かび、子供たちの前に着地する。
俺は必死に笑顔を作った。
「ぼ、僕の魔法は……こういう便利系です!」
一瞬の沈黙。
だが次の瞬間――。
「きゃー! 可愛い!」
「これなら太らずに食べられるかも!」
「リリアーナ様のお友達にふさわしいわ!」
場は大盛り上がり。
俺は内心、額の汗を拭っていた。
(……セーフ!! いや、ギリギリすぎるだろこれ!!)
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お茶会のあと。
ミリアが俺をじっと見てきた。
「カイル……あんたって、本当にすごいのか、ただの変人なのか、わかんない」
「お、おい!」
でも――。
その横でリリアーナが楽しそうに笑っていた。
「ふふ。やっぱりあなた、面白い人ね」
……やべぇ。
俺、完全に貴族令嬢の“お気に入り”になっちまってる。
(平穏ライフ……遠ざかるどころか、完全に消し飛んでないか!?)
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