第6話 貴族のお屋敷にご招待!?
路地裏の騒動から数分後。
俺とミリアは、リリアーナ令嬢に見事に捕まっていた。
「あなた、すごい力を持っているのね。ぜひ父に紹介したいわ」
「い、いやぁ……俺なんて平民ですし」
必死に逃げ腰になる俺。
だがリリアーナはにっこり笑ってこう言った。
「平民? そんなの関係ないわ。あなたは“特別”だもの」
――うん、これはやばい。
テンプレ的に、俺が“有能すぎるチート少年”として、権力者に目をつけられるパターンだ。
俺、平穏な人生送りたいんだけど!?
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というわけで、俺たちはリリアーナの馬車に乗せられ、そのまま彼女の屋敷へ。
ミリアは俺の隣でずっとプンプン怒っている。
「カイル、なんで断らないの!」
「む、無理だろ!? 貴族だぞ!? 断ったら死ぬかもしれねぇ!」
「……じゃあ、私も一緒にいるから」
そう言ってぎゅっと俺の袖を握るミリア。
……おい、可愛いじゃねぇか。
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屋敷に着くと、そこはもう別世界だった。
白い石造りの巨大な建物、きらびやかなシャンデリア、豪華な絨毯。
そして――。
「ほう、君が……噂の少年か」
現れたのは、リリアーナの父。
渋い顔の中年貴族で、見るからに権力持ってそうなオーラを放っていた。
「私はこの領の領主、エルンストだ。よろしく頼む」
「よ、よろしくお願いします……」
俺は緊張でカチコチ。
すると、突然リリアーナが言い出した。
「お父様、カイルはね、とてもすごい魔法を使えるの! 見せてあげて!」
「はぁ!?」
ちょっ、リリアーナさん!? 空気読んで!?
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でももう遅い。
領主の視線が俺に突き刺さっている。
(やるしかねぇ……! でも派手すぎたらバレるし、地味すぎても怪しまれる……!)
俺は慎重に魔力をイメージして――。
「……ふっ!」
――出てきたのは。
「ぴよぴよぴよぴよ!」
……大量のヒヨコだった。
「…………」
「…………」
屋敷の広間に響く沈黙。
床をトコトコ歩き回るヒヨコたち。
「か、可愛い~~~!!」
リリアーナが目を輝かせ、ミリアも思わず笑顔になる。
だが、領主の目は冷たかった。
「……君、なかなか面白い力を持っているな」
「(やべぇ、絶対バレてるやつだこれ!!)」
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その夜。
俺とミリアは客間に泊められることになったが――。
「カイル……」
「な、なんだよ」
「……本当に、変な魔法しか出せないの?」
「う、うるせぇ!」
ベッドの上で枕を抱えて笑うミリア。
そして俺は天井を見上げてため息をついた。
(はぁ……俺の平穏ライフ、どんどん遠ざかってる気がするんだけど……)
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