第6話『部室大掃除!』
「やっほ〜、しゅーくん、今日って何か予定ある?」
大学の昼休み、食堂の隅でぼんやりカツカレーをスプーンで突いていた俺は、突然声をかけられて顔を上げた。
「ああ、愛菜か。いや、特に何もないけど……なんだ?」
「部室、掃除しようって結先輩が!」
「……掃除かぁ……」
俺はスプーンを口元で止め、少しだけ遠い目をした。
オカルト研究同好会――部室はホコリと紙類と謎の呪符でカオスになっている。
この間なんて、“封”って文字の紙を触ったら机が一瞬だけ浮いた。あれ、誰の仕業だ。
放課後、部室。
「さあ!今日は徹底的に片付けましょう!」
結先輩がいつになく張り切っている。
手には掃除用のスプレーとマスク、そしてなぜかお札が束になっている。
「……それ、掃除に使う道具じゃないですよね?」
「ホコリだけじゃなくて、霊的なものも払えるように準備してきたの」
「いや、部室に霊はそんなにいない……多分……」
「ノクスが言ってたよ。“天井の奥、なんかウゴウゴしてる”って」
「ニャニャニャ!ニャニャ!(蠢いてるぞ!ウゴウゴ!)」
ノクスがリュックから顔を出してニャンニャン言う。
愛菜がさらっと訳すけど、俺たちにはただの可愛い猫の鳴き声にしか聞こえない。
誘拐事件のあれがなかったら、な。
掃除開始。
「ちょっとこの新聞、平成元年のとかあるんだけど……」
「うわ、裏に“呪いの特集号”って書いてある……」
「ノクス、食べちゃダメ〜!」
○○○○○
数十分後。部室は見違えるほどスッキリしていた。
「やれば出来るじゃん、俺達」
「うん、空気も軽くなった気がする!」
結先輩が大きく息を吸い、満足げに笑う。
愛菜は床に寝転びながら、ノクスをお腹に乗せてごろごろ。
「なんか、こういう普通の日もいいねぇ」
「普段が普通じゃなさすぎるんだよ、俺たちは……」
「あれ? でもなんか、床に落ちてるこの紙……」
俺が拾い上げたその紙には――
『この部屋を掃除した者に災いあれ』
と書かれていた。
「おいおい、最後の最後にそれはないだろ……!」
○○○○○
……その日、俺たちが帰った後、部室の電気が一瞬だけ勝手についたとか、誰かが呟いていたが。
ま、それも“よくある事”なんで、気にしない。
次回予告!
掃除の後に、結先輩のスマホが消えた!?
部室の奥で見つかった“古い携帯電話”が導く、不思議なメッセージとは――?
第7話『先輩のスマホ、誰が取った?』
お楽しみに!
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