第13話『謎の来訪者』
昼下がりの大学キャンパスは、いつも通り穏やかな空気に包まれていた。
だが、俺達の胸には昨夜のあの出来事がまだ燻っていた。
「……あの光、一体なんだったんだろうな」
俺はぽつりと呟いた。
「UFOだったらいいなって、私もちょっとワクワクしてる」
結先輩は柔らかな微笑みを浮かべながらも、どこか落ち着かない様子だった。
リュックから顔を出したノクスを軽く叩きながら、愛菜が言った。
「ノクス、ボク達心配してるんだよ?」
「にゃあ!(おれに任せろ。余計な心配は無用だ)」
いつもの強気な口調。愛菜にしか通じない、その自信満々な響き。
その時、キャンパスの入口に一人の女性がゆっくりと現れた。
背が高く、長い黒髪を揺らしながら、じっと俺達を見据えて歩み寄ってくる。
「誰だ、あの人は……?」
先生が眉をひそめた。
女性は無言のまま距離を縮め、口を開く。
「こんにちは。あなた達がオカルト研究同好会の皆さんですね」
落ち着いた声で名乗った。
「神代 綾です。オカルトの世界に深く関わっています」
彼女の話によれば、最近この大学周辺で不可解な霊的現象や事故が相次ぎ、あの“光”と関係があるらしい。
「これから、あなた達に危険が迫るかもしれません。でも、一緒に真実を追いましょう」
神代 綾の真剣な瞳を見つめるうちに、俺達の平凡な日常が少しずつ揺らぎ始めているのを感じた。
次回予告
第14話『神代綾の秘密』
謎の来訪者、その正体とは?
増え続ける霊障の裏に隠された真実が、今、明かされる――。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
「面白い!」と少しでも思っていただけたら
良ければ、評価(★)やブックマークで応援していただけると嬉しいです。
続きの執筆の原動力になります!