表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

第十一話 「ヒミロス達の平穏」

恐る恐る扉を開けると、広い部屋になっていました。少し薄暗かったので入口近くを探るとランプとマッチがありましたので灯しました。


部屋の中はクモの巣や埃がうっすら積もっており、しばらく誰も使ってないようでした。部屋の中はかなり広く、中央に机と椅子があり、右の戸棚には書物や巻物が並んでいます。左側には井戸や樽、干し肉やチーズなどが貯蔵されている貯蔵庫があり釜戸のような物もあります。かなりたくさんの食糧が貯蔵されているため、ヒミロス達が数ヶ月ほど生活出来る量でした。

奥には寝室があり小さなベッドが一つありました。

寝室の隣にも扉があり、開けてみると金銀財宝がどっさりというわけではありませんが、当面生活出来るだけの金貨や宝石、銀の食器などがありました。その中にはヒミロスが見たこともない毛皮のコートや綺麗で暖かそうな服、綺麗な絨毯などもありました。

自分もエプロンしか着けてませんし、子供達も薄衣です。とりあえず子供達に好きな服を選らばせました。子供達は各々好きな服を選びましたが、全て大人用でサイズが合いません。けれども子供達は暖かい服に笑顔でした。残念ながらラチカル少年だけはまだうずくまっていたので、服を着替えていませんでした。

ヒミロスは服を着せようとしましたが、うずくまったまま動こうとしません。ヒミロスもラチカル少年も体は冷えきっています。ヒミロスも着替えようとしましたが、ラチカル少年の服を除くともう毛皮のコートしか残っていませんでした。仕方がないのでヒミロスはエプロンを外し、素肌に毛皮のコートを纏いました。そして、ラチカル少年をコートの中に入れ暖めました。

しばらくすると、子供達が周りのランプや暖炉、釜戸に火を灯したので部屋は随分暖かくなりました。部屋が暖かくなったので、子供達に手伝ってもらいラチカル少年をベッドに寝かしました。(一夜明けるとラチカル少年は元気になりましたが、原因とは本編と関係ないため、省略します。ちなみにこの後もことあるごとにラチカル少年はこういった状態になったそうです。)


さて、ラチカル少年も落ち着きましたが、まだ外にはヒミロス達が追っ手だと思っている町の人達もいるようです。ヒミロスは外に出て茂みの陰から様子を伺いました。

老若男女様々な人がいましたが、ヒミロス達とは見た目も違いますし、話している言葉も違います。聡明なヒミロスは話している言葉や見た目からここが北欧の国だということを理解しました。追っ手でないことがわかり、茂みから出ようとしましたが、数人の若い男性を見ると、恐怖で体が震え体が硬直してしまいました。男性恐怖症です。ヒミロスが母国で看守達からされた仕打ちは最悪の事態は免れましたが、トラウマになるには充分な恐怖でした。


ヒミロスは町の人達の前に出るのが恐くなり、洞窟の中で隠れて暮らすことにしました。


洞窟の部屋は家具や食器の数から一人暮らし用と推測されますが、ヒミロス達が生活するには充分な広さです。

ヒミロス達は早速手分けして、冷たい床に絨毯をひいたり、貯蔵庫の食材を使って料理を作ったり、空の樽を使ってお風呂を作ったりしました。


一週間ほどすると外の騒ぎも治まり人が来なくなってきたため、子供達と外で遊んだり、海で魚をとったり、森で薪や木の実をとったりしました。

時折、母国が恋しくなりましたが、「善の神 アフラマズダ様」のお導きと思い、この生活を楽しむことにしました。

もちろんヒミロスは熱心な信者ですので、毎日決まった時間に火を灯し、お祈りすることも欠かしませんでした。


平穏な日々が数週間続き、もう秋も終わる夜更け、いつものように子供達と食卓を囲んでいる時、不意に洞窟の扉が開き誰かが倒れこんで来ました。


続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ