オルティスの記憶:番外8
漂っている感覚、ただ長く長く居る間に感覚が溶けて行く。自分が自分である感覚さえ消えて行く中、暗いくらい……その中、思い浮かべるのは彼女のヒヨコ色と昔より黄金色を帯びた新芽色の瞳……
どれだけ怒られてもイイ、から。
彼女に会いたいんだ……
そう思った時、誰かが笑う半月の口元から洩れる嬉しそうな声をどこかで聞いた気がした。
その時。
突然。
どこかに投げ出される。
太陽と大きな鳥のシルエット、空の明るさが網膜を焼く。
そして吹きつける風……ああ、違う、落下していくのを全身で感じる。
『何が起こった?』
そう思った途端に、体に何かが刺さり、最後にぐちゃっ酷い衝撃があって……
言葉に出来ない程、とても身体が痛かった。
赤い薔薇の花弁と光がたくさん降り注ぐのに。
血が流れ、体が冷たくなるのがわかる。息が……苦し……
今度こそ、死んで、また生まれ変わったのだろうか。
そして長年の、数及ぶ『死』からわかる。
もう、数十分もこの体は持たない、死ぬのだと。
犬だか、猫だか、よくわからない毛玉でしかない小さな体に……今世は生まれたようだ。こうなるまでの状況が脳裏に過ぎる。
この体は卵から生まれて、程せず先ほど鳥に咥えられ、巣から攫われた。そのまま中空でぱっくり食べられかけたが、クチバシから零れて空を舞い、上空から為すすべなく地面に叩きつけられた。その『叩きつけられた』瞬間に、俺は『自分』に気付いたようだ。
たぶん即死になる所を、ちょうどイルの髪や目と同じ赤薔薇の花咲く茂みに落ちたお陰で、棘に刺されて傷だらけになりながらも即死に至らなかったようだ。
だが、流石にもう助からない。そんな酷い怪我。なら茂みの存在は苦痛を長引かせただけな気がする。
『また。しょうもない死に方だな』
そう思えば『表』の……懐かしい気配が側にあった。ともかくこの生はもう短い。だから一緒に居た『表』には先に眠るようにいう。
全身の骨はバラバラで、体がいくつも破けている。
死は近い……無駄に苦しむ必要はない。苦痛の末に生き残れるなら任すが、この先に未来はないとそう説いて。
『またがあるなら……会おうね。おやすみ』
『ああ』
また、なんて要らない。本当は忘れてしまうべきなのだ、前世など。
それでもこれからまた、俺と、そして表はぐるぐると転生を繰り返すのだろうか。
またを繰り返せば、どこかでラスタと会えるならそれもイイか……でも表が居るなら俺は彼女とはいられないが。
そう考えながら痛みを堪えて、赤薔薇の根元で体を丸くして。迷いつつも俺は彼を一足先に葬送し、ひとり死を、ただ待つ。
『すぐに、逝く……』
俺を囲うこの赤薔薇の色はイルの色だな……そう思えば何だか寂しくない気もした。
そうしていたら、誰かの泣き声がする……その足音が近づいてくる。
「うええええん……にいさまぁ~」
向かいの茂みから姿を見せたのは女の子だった。
その青が強い緑のきゅるんとした瞳に俺の汚い黒と赤が映る。
「ぐすっ、すんっ……け、けが、してりゅ?」
さわさわと風が吹く。その子は俺を見て驚いたようで、泣き声が収まった。それでもぐすぐすやりながら、そろりと近づいて来てしゃがんで、地面にべちゃりと張り付いている俺に話しかけてくる。薔薇の花弁に紛れて血液はあまり目立たないせいか、怖がってはいなかった。
「どーって、こんにゃとこ来たの? けがしちゃちゃの?」
逃げようとしたが無駄だった、ちんまい体はピクリとも動かない。
どうせ死ぬとしても……これ以上痛めつけられるのは御免だ。
幼い子供は残酷だ、死に体を蹴ったりイジったりされつつ死んだ過去は幾つもある。
しかし抵抗する力もない。最後に、更に痛い思いをする覚悟をしていたら、ふんわりした何かが体にかかる。
「痛ちゃぃ? 我慢しちぇね」
そう思うなら、ほっといてくれるといいのに。
今の俺は舌足らずの子供の手の平で、簡単に掴める大きさだった。彼女は肩から掛けていた柔らかなストールで俺を包む。布はフワフワしてそれ自体気持ちいいが、抱えられれば自分の体重がかかり、触れられれば激痛が走る。
引っ掻こうにも情けない程に動かない体。俺を包む目の前の指に噛みついてみたが、力が弱すぎて歯がたたない。
それなのに口の中に自分の物ではない、微かな血の味が広がった。よく見れば、彼女の指先にかすり傷がある。俺に会う少し前にコケて地面に手でもついて切ったのか。
良く見ればその髪には落ち葉が引っ付いている。泣いていたのはその痛みのせいだったのだろう。
「わたくしはだいじょーぶよ?」
俺は彼女を害しようとしたのだが、慰めで舐めたとでも思ったのか、幼女はとてもイイ顔で笑った。
『……ラスタ?』
彼女の唇の形、柔らかな金の髪は淡く、俺が知る3000年前のヒヨコ色より淡い、初いヒヨコ色だ。それを見てそれが彼女の『幼い頃』の姿だと思った。腕を治すのに縮んだ彼女よりも、より小さい頃。片手に持たない年齢……だ。
『生まれ変わったと思ったが、夢か? それとも過去にこんなこともあった。か?』
余りにたくさん死に過ぎて、似たような死はたくさんあって。夢に記憶が混在しているのか、前世の一つなのか俺はよくわからない。ただ夢だとするなら、酷い痛みだと思い、震えながら彼女に抱きかかえられる。
「おかしゃまが居るといいにょじゃけれども……」
俺を見つけた事で涙を忘れた少女は俺を運んで行く……ちょこまか歩かれると、その振動で身体がもう意識が飛びそうなほど痛い……折角なら痛くない夢が見たかったが、ラスタと会える夢なら我慢しようと思う。
「いたぁ! レアおかしゃま~」
少し遠くに世界樹の居所が見える。その側の白い小屋のようなガラスの透けた建物。ソレを囲う白薔薇の庭先、小さなストーブを側にして揺り椅子の上でゆったりと寛ぐ、褐色のダークエルフが赤と青のオッドアイをこちらに向けた。姉母のフィレンディレアだ。ただ胸に赤薔薇水晶の飾りは輝いていなかった。
「もうそろそろ寒いと言うのに。ストールを外したのか……駄目だぞ、ちゃんと着ていないと。この頃ハイエルフに罹るおかしな風邪が流行り出しているというのに……」
「でも、この子、包んであげちゃかっちゃから」
「ん。毛玉? 何を持ってきた? ヴィラ」
「なんか、生き物の……わかんにゃけど弱々ってしてりゅの、それに痛ちゃしょうなの……」
「これは……珍しい……」
傍まで来いとラスタを手招きした手で、姉母はそのまま俺の頭や背に触れた。痛い痛い、痛いからヤメロ……柔らかく触っているのだろうが非常に痛い。
きゅん、と変な鼻声が出てしまって恥ずかしい……
「ダメだ……背骨がズタズタに折れてる。血も酷く出ているしな。それにこれは駄目だ。もう魂が半分どころか欠片しかない。もって数分だろう……」
「……レアおかしゃまでも、てんじょーいしゃまでも、治してあげりゃれないのです?」
「ああ。死んでしまうんだ」
子供には冷たい言葉だろうが。
この体が数日生きていられるなら、子供の興味が移った所で死体を隠して誤魔化せるが、たぶん数分で俺は死ぬ。だから事実をフィレンディレアは口にした。
青が強い大きな緑瞳から涙が落ちる。
『ああ、泣かないでくれ……』
言葉は出ないし、届かない。
俺は現実では呪いに捕らわれ死んだかもしれないし、そうでなくとも目は覚ましていないだろう。
夢の中でまで、それもこんなに小さいラスタを泣かせたくないのに。
「にゃにも、できない?」
「……痺れの呪文を薄くかければ、痛みは和らぐかもしれん。かけてやろう」
「わたくし、できましゅ!」
「じゃぁ……拾ってきた責任だ。呪文をかけて、せめて『最後』まで抱いていてやれ」
「はい!」
最後。
きっとその意味を知らぬ小さなラスタはやる事があったと喜んだ様子だ。元気よく返事して魔法を動かし、小さな陣は俺を包む。柔らかい彼女の匂いと呪文の言葉が、俺の体を痺れさせ、麻痺が痛みを暫し消してくれる……
そうしてストーブの前に座って抱きしめられていると、とても暖かく感じた。フィレンディレアが大きな毛布を持ってきて、ラスタごとゆっくり包んでくれたせいもあるかもしれない。
そう言えば彼女の指の傷は小さかったので、魔法で軽く洗って『すぐ治る』と姉母が言っていたので安心した。
「ねぇ名前は?」
頬を寄せて額に唇を当てる様にして、あたためてくれながら、質問される。息が当たってくすぐったいが、何だか嬉しい。痛いけれども、もう死ぬだけの体だけどラスタに会えて嬉しい。耳が勝手にピコっと動いてしまう。
しかし言葉の意味がわかっても言語は口から出ず、答えられるわけもない。それもこの生まれてすぐに高所から落下した、不運で小さな黒毛玉に名などない。
「おいヴィラ、間違っても名は付けるな。もう死ぬ命だ……縛ってやるなよ」
「? じゃあ……元気ににゃった時、名前がにゃかったらちゅけてあげる。わたくしの名はぁヴラしゅタリ・トゥルバよ……ハイエルフの王の、四のひめしゃまなの……」
元気には、もうならないのだ。
だが並べられた言葉が難しいのかもしれない。彼女は幼くて、意味が完全には分からないのだろう。
だけど自然に寄り添うハイエルフの本能が、俺に訪れる死の影を感じ取ってるのだろうか。泣きながらも彼女は語り掛けてくれる。涙の交ざる可愛い幼声を聞きながら、ラスタの髪の金が、瞳の青緑色が遠くなっていく。
その時、赤薔薇の花びら一枚……
ストールか体について運んで来たそれが、ヒラリ舞うのを見ていれば、心音が小さくなり、ゆっくり熱が引いて、それと共に毛玉に生まれた俺の命が消える。
夢の中でも長くを生きられなかったが、彼女に葬送されるならとても、とても、それは幸せ……で。
また、会いたい……会って……会ったら…………
そう、考えている間に意識が…………切れ…………て…………………………
「っ!」
再び、再び、何度でも、ああ、彼女に。どうしても会いたい……そう思って眼を開く。
途端、ラスタの顔が視点が定まらぬほど、めちゃ間近にあった。
少女の、俺の右手を復活させるのに小さくなったラスタ。その閉じた瞼に生えて、くるりカールする金の睫毛の数を数えられるくらいに……そんな近くに彼女の顔がある。
その背後には天井に絵が描かれた、すこぶる豪華な天井が目に入った。細かいタイルで絵画が描かれた天井……キラキラしているので宝石かもしれない。
「ら……?」
塞がれていた唇を動かした事で、ラスタの瞳がぱちりと開いた。金黄色が強い緑、3000年を超えたその新芽色の瞳が俺の目覚めを捉え、がばっと慌てた様に彼女が体を起こした。肩にかけていたブランケットが半身を立ち上げた拍子に、はらりと落ちた。
「あ、あぇ? え? 起きっ??? たっ!」
俺、今、何されていた? それより何より、これは……
「ゆ、めっ、か?」
どこまでが夢か、現実か、よくわからない。
ラスタの生母から呪いを強制的に喰って入れて、ソレの中身の苦痛を知り、幾ばくか話してから……長い間、ぼんやりとして……最後に何か、胸が痛くなるような夢を見た気がする。
けれど目覚めた途端に見たラスタの可愛い顔のアップで、何を見たのか吹っ飛んで忘れてしまった。
「夢じゃありません、よ、よかった……このまま、目が覚めないかと……」
顔は離れて行ったが、手は握られたままだった。
尖った耳の先まで赤面しながら、金にも思える緑の瞳が潤み、彼女のあたたかさが繋がれた手から伝わってきていた。
外は厚めのカーテンが敷かれていて良く見えないが、漏れてくる光の加減から朝だろうか……風が吹いているのか、ゆらゆらと木の影らしきものが見えた。
「ら、すっ……おは……ョぅ……」
上手く出ない声と共に、その手に力を込めて握れば、きゅっと反応が返ってくる。
「おる……ティっス……ああ、アナタって人は本当に、本当に……どうしてそう考えナシなコトをするのです……」
手が解かれる。
そしてペタペタとラスタの可愛い両手が、俺を確かめる様に顔や頭に触れた。とても心地いい気がして目を細めてしまう。
その指が口元近くにきたので、反射でパクッと咥えてちゅっと吸ったら、すごい急いで飛びずさった。
何か思っていた反応と違う。って、どんな反応を求めていたか自分でもよくわからないが、驚いた顔も可愛いからイイ。
「っ、な、なんなんですかっ」
「から、だ、……く。うご、か……ぃ」
声だって掠れてまともじゃない。殆ど全身が固まったようで体幹はピクリとも動けないし。
「そりゃぁアナタ、二か月近く、寝ていましたからねっ」
「二か……って……あれ、から? ……ならっ、ギルドで、しご、と取りに、っていい、のか?」
「は? はぁーーーー? アナタは何を考えているのですかっ。ダメに決まっているでしょっ。体動かないのですから、まず安静でしょ? ご飯だってすぐに普通の物なんて食べられませんからねっ」
「えぇ……肉は? にく……は?」
「薬湯と重湯からですからねっ、ティ」
「ぇーーーー」
この際、奴隷飯でも喰えれば何でもいいけれど、やはり、肉はいい。
「ふぁぁぁ……騒がしぃ……おや?」
側のソファーベッドからダークエルフの女が、体を労わるようにゆっくりゆっくり起きてきた。
「昨夜、ヴィラは手を握ったまま、寝落ちていたから。そのまま起こさなかったのだが。その子、起きたね?」
「ええ、レアお母様! おはようございます。ティがっ! やっと、やっと目覚めてくれました」
「ヴィラ。婿が目覚めて嬉しいだろうが。まずはウィアやリオにも知らせてやれ。あいつらもホッとするだろうし。バシレウス達も……まだギリギリ朝食を摂っている時間だ、急げばまとめて話せるだろう」
「は、はい! レアお母様っ。その間、ティをよろしくお願いします。行ってきますっ」
ぺこっと頭を下げ、ばたばたっっと出て行きそうになって、ふっっと彼女は立ち止まった。そして慌てている自分が周りに見られる事を考えてか、急に服の裾を払い、優雅で余裕を持った歩行に変えてサラリと部屋を出て行った。
バタンと重厚そうな木の扉が閉まる。壁の厚みや張られている結界から、俺が、正確には呪いが『暴走』した場合の対策はバッチリされているようだ。
「私はヴィラの伯母であり、義母でもあるフィレンディレア・ハイリアンだ。名は確かオルティス、だったか? 声は出ないだろうから、返事は無理して出さずともイイ。喉が切れて血を吐くとヴィラが騒ぐ」
何度も会った気がするが、ちゃんと対面するのは初か。赤と青、派手なオッドアイが俺を見下ろす。
「触るからな。オルティス……そうイヤな顔をするな、これでも第一妃の専属看護官だし、対呪関係の魔法には通じている」
俺は姉母に診てもらう。その時、ラスタの握ってくれていた掌に何かが握り込まされているのに気付き、それを確かめる。花のイヤーカフ……ソレをコロコロ手の中で転がして、時間をやりすごす。少しずつ関節や指先がほどけて行く気がした。
「うん、呪いがお前の命に従い眠っているようだ。これなら何の触りも起こさないだろう。ただ他の呪いに触発されたり、更にお前が邪な考えに取り付かれれば、すぐにその威勢を現し、噴出してその魂を喰うだろう。お前の魂は特殊だから普通の被害ではすむまい、その旨、気を付けて生きろ。わかったか?」
とりあえず頷けば、彼女は俺の頭の耳を触り、
「神黒龍の耳によく似ている、お前は複数の前世持ちだと聞くが、もしかして毛……」
彼女の言葉を遮るように、ノックの返事も待てず、扉が開いて勢いよく飛び込んできたのは灰の麗人ウィアートル。籠に入れられて連れてこられたドリーシャの姿が、飛びついて来てべちゃっと視界が塞がれる。
「くるぽ、くるぽっ!」
「ティ! ティっ! 目が覚めたってホントなのっ! うっ……もう、この短期間で死んだと思ったって何回言わせる気っ。倒れるの趣味なのっ! 大人びて見せてるのに、その黒髪頭は危機管理っていう学習能力って搭載してない訳っ?!」
「だから、この童。死なぬと言った」
いつの間にか側に来ていたデュリオが、俺の顔からドリーシャを引っぺがしてくれる。更にカートを押したクラーウィスが入ってくる。
「呪いの調伏で二か月足らずで目覚めたなら早いってぇ~蔵書を調べたけれど、成功しても目覚めたのは1000年後とか~人族なら一生目覚めなかったぁ~なんて記録があったってぇ言えなかったけどぉ……レアかーさまぁ、起きたら持って来るように言われた看護セットだよ~置いとくね」
「ああ。ありがとうウィス。オルティス、今から薬湯を作るから、飲むまで出来るだけ喋るなよ。今無理すると喉の粘膜が切れるから」
俺が頷くと、ゆっくり部屋に入って来たラスタがそっと黒髪を撫でた。
「クリュー姉さまが新作の寝間着を下さいましたよ。後から替えましょうね、ティ」
そう言った彼女の腕には着心地が良さそうな服を抱えられていた。
「そーいえば、ねーさま! 死神のお兄さんが目覚めたって事は、昨日話してた『おまじない』のチューしたからなっ……」
「ぅ、ウィスぅっ!」
ラスタが慌てて妹の口を押さえている中、遅れて部屋に父王が入ってくる。引き締まった表情をしていたのに、扉が閉まって俺の顔を見るなり、ボロリと相互が崩れた。
「よかった、よかった婿殿ぉーーーーすまなかった、そしてありがとうぅ、リアが、リアが助かったのは婿殿のお陰だよぅっ」
飛びつこうとしたところを、一緒に入って来たシェアスルに無言で、シュパッっと首根っこを掴まれて止められているのを見て……皆、何か笑っていた。
そんな。ワイワイとしているのを見ていたら……
なんか……
なんか……
「……ただいま」
そう言いたくなって。薬湯を飲み終えてそう言葉にすると、ラスタが目をまた潤ませて、
「アナタって人は……」
そう言っていつかのように、がばりと頭を抱えてくる。
その感情は何だったのかよくわからないけど。ソレは3000年前のあの日泣いてくれた彼女を思い出させ、鼻の奥がジワリとして泣きそうなのを……必死でこらえた。
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