23.二日目、昼のコンティニュー
(……コンティニュー、します……)
音も何もない真っ暗な空間の中で、粛々と選択肢を選ぶ。残り4回。
そして巻き戻ったポイントは、食料倉庫に向かう通路の途中だった。
どうやら復帰ポイントは、「シナリオに大きな影響を及ぼさない」かつ、「かろうじて自分の死亡を回避できる」といった条件でフラグ立てされるらしい。
特別仕様の能力とはいえ、自分だけが主人公なわけじゃないからな。ある程度、範囲が狭められるのも致し方ないだろう。
(ええと、さっきまで、何をどこまでしていたんだっけか)
ロールバック直後は頭の中が時差ぼけ状態で、整理が必要だ。
そうだ、とりあえず食料倉庫に調査に向かわねば……と足を進めて、倉庫前の廊下の先に、倒れたにゃいぼを発見する。ここまでは、さっきまでと同じ。
にゃいぼは、今回はあまり騒いでいないな。こちらの接近にまだ気づいていないのかもしれない。
(このあと倉庫の中に入ると、なぜかハッチが開いて、宇宙に放り出されたんだよな……)
自分が倉庫内を調査している間に、何者かが操作をしたのだろう。
操作盤はどこにあるのかと探したが、廊下の壁などには見当たらない。
実は、そんな感じの機械は、倉庫の内側で目にした気がする。そもそもハッチは地上で作業するときに開閉するものであって、宇宙空間で開けるようには想定されていないのだ。作業の進捗に従って倉庫内で操作するのだから制御装置が中にあるのは当たり前だ。
「一応、目で確認しておくか……」
廊下に人影がいないことを確認して、慎重に倉庫内に入った。
ドアのすぐそばに、操作盤はあった。蓋を開けると、掴んで引き下ろすタイプのレバーと、安全のためのタイマー機能。
(ハッチを開くスイッチを入れてから、時間差で作動させることも可能なんだな……俺がよそ見をしている間に誰かが操作して、倉庫から退避した……?)
「だけど倉庫内に人はいなかっ……うぐっ!」
突然の衝撃で思考を中断され、舌を噛んでしまった。
いや、それどころではない。後頭部に異常を感じて、膝をつく。スパークしたように視界に散る火花と、じわじわと広がる熱い危機感。このパターン、どこか覚えがある。
力の入らない腕で身構えて、背後を振り返る。すると――。
「――?」
ヒュッ!
何もない空間に、スチールパイプが浮かんでいた。そしてそれが勢いよく振り下ろされるのが見えた。
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