12.一日目・夜 整理タイム(2)
(それと、乗客についても、ざっと書き留めておくか……)
箇条書きの下にもうひと段落を書き足し、登場人物についても簡単に記していった。
+++【人物メモ】+++
・エレノア(部屋は同じ並びのお隣)
無表情で初対面では冷たいように感じたが、割と一番会話が通じる気がする。頭もいい。あと美人は正義。
・ヒカル(部屋は同じ並びの最奥)
かっこつけ。探偵気取り。俺をライバル視?
・宇佐美(部屋は左翼の手前側)
落ち着いた雰囲気の女性。警戒心が高く、行動力はありそう。
・あーちゃん(部屋は左翼の最奥)
よくわからないテンション。若者っぽい言葉遣い。推理ゲームを好むタイプには見えない。
・夢人(部屋は右翼の手前側)
化粧は派手だが、行動はどちらかというと陰キャに見える。
・黒須(部屋は右翼の最奥)
多くを語らず、不気味。話し方も不自然で外国人か、もしくは演技をしている?
→この中にNPCも紛れている?
++++++
「よし」
一息ついて、ペンを置く。記録はこれくらいでいいだろう。
好き放題に書いてしまったが、今のところ最も疑わしいと感じているのは、俺の「にゃいぼアリバイ工作説」を前提に考えて、黒須、夢人、あーちゃん、宇佐美……の順だと思っている。
それと、念のため末尾に記載した一文だが、有人プレイヤーとNPCの区別は、そこまで重要ではないだろうか……? NPCだろうがなんだろうが、やること(目的)は同じはずだしな。
どちらにしろ、今のところ全員癖があるなというくらいで、その判別はついていない。
NPCはハイレベルのAI(人工知能)が搭載され、あらゆるパターンを考えて学習し、行動する。NPCが犯人だった場合、有人プレイヤーよりやっかいかもしれないな……。
「――さて、このあとは、どうするかな?」
偶然見つけたにゃいぼのおかげで……という件もあったことだし、足で動き回らないと見えてこないものもありそうだ。捜査し、人から話を聞いて情報を引き出す必要がある。
――ぐぅぅ。
唐突に、腹の虫が鳴った。そういえば、そろそろ晩飯の時間だ。ちゃんと空腹を覚えるように脳波がコントロールされているんだよな、このゲーム……。
他のプレイヤーも同じ状況のはずだから、食堂に行けば誰かに遇うかもしれない。
エネルギー補給がてら、再び、部屋の外に出ることにした。
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