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14話b-1
少女はふっと笑みを零した
『……満足か?
なんて、言い方は悪いんだろうな、きっと』
「ううん、満足だよ
琥烏」
『……』
俺は璃乃の前髪の境目の中心あたりをくいっと指で引っ張った
「!!」
次の瞬間、ぴょこっと彼女の髪の一部が跳ねるように飛び出した
『固めてたのか?』
「な、なんで…」
『ふ……甘く見てもらっては困るな
こんな事で俺を騙せると思うなよ?』
「う……」
『それにしても、頑固だな
そのアホ毛』
「あ、アホ毛言うな!」
俺はそんな璃乃を再び抱きしめた
「ちょっ…琥烏!?」
『…ホント…馬鹿だな、お前
頭いいくせに』
そういって俺は意地の悪い笑みを浮かべながら璃乃の頭を撫でた
「なっ?!
何を……って、え…?」
『ん…?』
「今…"お前"って…」
『え……?
ああ…』
「最近は"君"って、呼んでたのに…」
『あ……
そうだったか…?』
「そうだよ」
『そうなのか
じゃあ、そっちのほうがいいよな』
「…ううん
お前、で、いいよ」




