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14話a-6
「言う事…?」
璃乃の声は掠れて、聞き取りにくい
「……貴女が琥烏を惑わすからいけないの」
「……あ…あたし…」
「私と同じ人を好きになるから!」
打撃音が聞こえた
それと同時に璃乃の悲鳴も
「…琥烏の事を忘れなさい
琥烏への…想いを」
「……う…あ……え…?」
もう少し待ってくれ
俺はそう思った
階段の中央を少し越えた場所に俺はいた
意識が飛びそうになりながらも、俺はなんとかそこまでのぼっていた
「そうしたら…許してあげる」
「………」
「…早く、答えなさい」
「……嫌」
(…!?)
「………え」
疑問と言うより聞き返すような言葉だった
「嫌だ!」
(…何で!
どうして!
嘘でも……そこは…)
僅かな沈黙の後、璃優は呟いた
「あ、そう」
そして、今度ははっきりとした口調で言い放った
「そう言うと思った」
その数刹那後、
悲鳴が……いや、悲鳴と言うには余りにも悲惨な声が聞こえた
璃乃の断末魔だと言う事はすぐにわかった
しかし、理解出来なかった
いや、したくなかった




