91/220
14話a-5
…声が聞こえた
「やめて!璃優姉ぇ!」
「…うるさいな」
…次に、何かが割れる音が聞こえた
「きゃあああっ!」
「うるさいって言ってるでしょう?」
「ひっ…」
俺は一段ずつ時間をかけて這うようにのぼっていた
そうするしか方法はなかった
「貴女が悪いのよ、璃乃
琥烏を惑わすから…!」
「…琥烏……?」
「急に目の色が変わった!」
…再び何かが割れる音
「…あ…ああ…」
「…琥烏なら下で大人しくしてる
貴女のせいよ」
「あ…あたしの…せい…?」
(……違う)
「そうよ」
「あたしのせいなの…?」
(違う!!)
「そう」
何か…裂くような音…
そして、ほぼ同時に璃乃の悲鳴が聞こえた
『………り……の…』
声をあげる事も叶わない
そんな自分がひどく悔しい
「痛い……痛いよ…お姉ちゃん…」
璃乃は涙声だ
「…だから?」
「痛いの……お姉ちゃん……やめ…て……」
「…だったら…私の言う事を聞きなさい
それなら許してあげる」




