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14話a-3
俺は俯せの状態で倒れていた
しかし、身体が動かない訳ではない
ただ、動かしづらい
「そこで、待っててね、琥烏」
だが、俺は力を振り絞り璃優の靴下の踵あたりを掴んだ
「少しだけ、待っててよ、ね?」
俺の頭の中にある想像が広がっていた
それは、とても悍ましい…恐ろしい想像だった
故に、俺はそれを確かめなければならなかった
俺は決して離すまいと指先に力を入れた
果たして、どれだけの力が発揮されているのかはわからなかったが…
俺は口を開いた
痺れて拙い口調になる
必要な事だけを手短に伝える必要があった
『……り……の……は……?』
「………」
『……ど…う……し……た……ん………だ……』
璃優は扉を向いたまま沈黙していた
俺は必死で靴下を掴んだまま
璃優を見上げて睨んでいた
「……部屋に居るよ」
『……ほ……ん…と…?』
「ええ、本当
だけど……あの娘
"居なくなるから、もうすぐ"」
俺は目を見開いた
指先にさらに力を入れた
指がちぎれるんじゃないかと思った




