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13話-2
「…琥烏、何考えてるの?」
少女の問い掛けに俺はすぐには答えようとしなかった
「琥烏…」
俺は少女を真っ直ぐ見るとふと思い付いたように思い出した
『…ナイフ』
「え?」
『俺の…ナイフ…
どこにある?』
今度は少女が黙った
『あれ…大切な…物なん…だ…
どうしたんだ…?』
そんな気が…大切な物だと思った
から、そう言った
「……渡せないよ、今は」
『返してくれ』
「駄目」
『返してくれ』
「琥烏…!」
『返してくれ』
「…………」
『返してくれ』
「…………」
『返してくれ』
「……っく」
『返し……』
そこで俺は言葉を止めた
少女の頬に一筋の水滴が流れた
少女の声はやがてしゃくり声になっていた
『何故…泣いている…?』
「………」
『何故、泣いている?』
「………」
『何故…』
「…わからないの?」
『え…?』
その時胸に衝撃を感じた
畳に倒れた瞬間に少女が張り倒したのだとわかった
俺が驚いている合間に少女は素早く俺の上に回り俺を押さえ付けた
「…わからないのって…聞いてるの!」




