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9話-2
「琥烏…どうかしたのか?」
『…え?』
放課後、帰ろうとした時
玖竜に言われた言葉だ
「…謹慎明けてから…おかしいよ、琥烏」
『…何が…だ?』
「…謹慎を受けたから…バイトが出来なくなったから…だから、落ち込んでるんだと思った
けど、何か違う
そういうのとは違う
琥烏…謹慎中に何かあったんじゃないのか?」
『………』
この男の洞察力に舌を巻いた
俺はどう答えるべきか悩んだ
しかしながら、その答えが出る前に口が動いていた
『結局は………
…俺は人形でしかなかった
その事に気付いただけさ』
「…え?」
玖竜の反応と俺の心の中はシンクロしていた
心ではなく、まるで、身体の"意志"が俺を動かしていたようだった
「琥烏…?
お前……」
『…!!!』
バッ、と音をたてて俺は自分の頬に触れた
俺はまた泣いていた
自分が知らない内に
俺は顔を隠すように手をあてると逃げ出すように教室を出ていた
ぐちゃぐちゃだった
俺は…どうしようもなく
俺の心は…ぐちゃぐちゃに
何もかもが…混沌としていた




