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8話-7b
『俺は…
俺は…許さない
……なんて言ったらどうするんだ』
自分でも驚くほど無表情だったと思う
「…聞いて…いた…の?」
俺はその問いを無視して食卓にあがる
グラスを手に取り
水を注いだ
変に喉が渇いていた
俺がグラスに口を着けた瞬間
横から肩に手を置くように抱きつかれた
璃乃だった
俺は一瞬揺れた水を見つめながらそのまま構わず水を飲み干した
一息つき、グラスを置くと璃乃のほうを向く
璃乃は今度はそのまま俺の胸に寄り掛かった
『………』
「………」
『………』
「……ごめんなさい」
『………』
「…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…許して…」
璃乃は泣いていた
けど、俺自身
それさえも冷めた目で見ていた
「ごめんなさい…許して…許して下さい…」
「…琥…烏君…」
顔を上げると璃優も泣いていた
「私…は…私達は…琥烏君と…一緒に…居たくて…
でも…それは…私達の我が儘だった…
だから…ごめんなさい…」




