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7話-1
…俺は心の何処かで
家族とかそういう血の繋がりなんて言う絆を信じていなかった
…あれは俺が中学生の頃
俺にだって、彼女の一人くらいは居た
小学校から同じ学校の同級生…所謂、幼なじみだった
ただ、彼女なんて言っても健全と言えば健全だが、かなり奥手な関係だった
始まりは彼女からの告白だった
だが、手を繋いで歩くだけでも二人共赤面してしまうような甘酸っぱい関係
キスやそれ以上の事なんてしなかったし、出来なかった
…ある日、彼女から別れが告げられた
理由はよくわからない
「私はあなたには勿体ない」とか
納得出来るものじゃなかった
俺は何が悪いのかわからなかった
それを問い質してもはぐらかされるだけで
彼女は最期まで、俺には教えてはくれなかった
…そう、"最期"まで
彼女は俺と別れた翌日…
一家心中した
彼女の父親の事業が失敗し
相当な負債を負っていたらしい
…彼女までが一緒に死ぬ理由は無いと思った
自殺する理由なんて、本人でなければわからないが
彼女の両親の理由は俺なりに理解出来た
しかし、彼女は出来なかった
もう、彼女のあどけない笑顔を見る事が出来ない
そして、彼女をそうさせたのが"家族"だと言う理由なのだとしたら…
俺は信じる事など出来るはずがなかった




