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6話-6
そう言うと俺は俯いた
璃優は何も言わない
ただ、床にぽとりと水滴が落ちた
俺が顔を上げると璃優は泣いていた
「…どうして…
どうして…そんな事を言うの…」
璃優は両手で俺の襟元を掴み
泣き崩れるようにしゃがみ込んだ
(…少し…言い過ぎたか)
そう思った時だった
-ギリ…-
『う…』
-ギリギリギリ…-
璃優は掴んだ襟元を締めていた
-ギリギリギリギリギリ…-
『い、痛い……痛いって…璃優…』
だが、彼女は腕の力を緩めようとはしない
-ギリギリギリギリギリギリギリギリギリ…-
『…ぐ………が…は…ぁ…っ…』
声が出せない
息が出来ない
苦しい……死ぬ…?
そこまで、思った瞬間
襟元の力が緩んだ
『が…がはっ…
ゴホッゴホッゴホッゴホッ…ゴホッガフッ』
俺は噎せるようにしてしゃがみ込んだ
すると、視界の端から手がぬっと伸びてきた
俺は恐怖を覚えた
今度は、直に首を締めるのだと思った
しかし、彼女の両手は俺の首ではなく、頬を掴んだ




