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5話-6
『なら、親父はどうなるんだよ!』
親父は単身赴任…
例外だと言うつもりか?
「お父さんは関係無い!」
『関係無ぇ事あるかよ!
…俺にだってやりたい事がある
そりゃあ、校則破るのは悪い事だけどさ
他の事を疎かにするつもりは無い
だから、俺の自由意思の範疇だろ?」
「璃優姉ぇ…ちょっと」
さっきまで黙っていた璃乃が璃優の前に出て俺の目の前で玄関の段差で見下ろす形になった
「兄さん…いや、琥烏
琥烏は…私達と過ごす時間より、琥烏の言う自由意思のほうが大事なの?」
俺は一呼吸起き
璃乃の目を真っ直ぐ見つめて言った
『…そうだ』
その瞬間、璃乃が振りかぶるのが見えた
俺は避けようとしなかった
-バキッ-
グーだった
スピードだけの体重の乗っていないパンチ
ビンタのが威力があっただろう…そんなパンチ
だが、俺はあえて派手に玄関に倒れた
扉に背を打ち付け、足元の靴は四散した
「あたしは…あたしはそんなの許さないんだから!」
そう言うと璃乃は走って階段を上がっていった
「…私も、璃乃ちゃんと同じ気持ちだから」
璃優は歩いて階段を上がっていった
『…許してくれなくたって構わない
まだ、諦めないさ
まだ、大丈夫
俺自身の為だ』
俺は誰にもなく、俺自身に向けて呟いた
第5話 希望への受難




