26/220
5話-3
『……玖竜』
「ン?」
玖竜が視線を俺に戻すと、俺は目を閉じた
自然に口が動いた
『俺…夢があるんだ
…口にしたら嘘っぽくなりそうで嫌なんだが、お前には話しておく』
「うん」
『昔から、俺は旅とかそういうのに憧れてたんだ
何処かここと違う場所に行くって言うのに』
「……」
『俺は、旅人や風来坊に憧れてたんだ』
「………」
玖竜は何も言わずに俺の話をただ、聞いていた
『…多分、物理的に柵を断ち切りたいなんて思ったんだろうな、俺は
…だけど、別に俺は今の生活が気に入らない訳じゃないんだ
ただ、何て言うか
漠然と…流されて生きているようでさ
だから、俺は…その柵ってヤツを断ち切りたくて
逃げてるみたいな理由だけど、
…だけど、俺はこことは違う景色を見てみたいんだ』
「…なら、琥烏はどうしたい?」
『……俺は…
……余り、褒められた生き方じゃないかも知れないけどさ
金貯めて、世界中を旅したいとか思ってる
…現実的じゃないんだけどさ』
「だったら…それでいいじゃないか」
『……え?』




