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4話-5
「ほとんど?
じゃあ、違うところもあるんだね?」
「そりゃあ……まぁ…
ご、ごめん
それ以上は勘弁して…」
「…まぁ、無理には聞かないでおくよ
最後に璃優……」
「…知らない事」
璃優は玖竜が言い終わるより先に答えた
『…え?
どういう、事だ?
姉さん』
「…不幸である事を知らない事
それが、幸福なの」
「へぇ…興味深い意見だ
詳しく聞かせて貰いたい」
玖竜はそう言って、璃優にほうに改めて向き直った
「……愚者は自分が幸福である事を知らないから不幸、
でも、愚者は自分が不幸である事を知らないから幸福…」
『…何処の偉人の言葉だ?姉さん』
「…忘れちゃった」
『………』
なんとなく俺は予想がついた
「…でもね
人の脳は不幸だった記憶より幸福だった記憶を多く記憶するの
だから、愚者はきっと幸福」
「…ふむ」
玖竜は顎に手をやりながら頷いた
「だから……うん
無理に忘れた事を思い出す必要は無いの
だって、忘れる事は必要な事だから
幸福になるために…
…だから、忘れる事
そして、知らない事が幸福なの、きっと」




