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3話-5
そのまま、天井を仰いだまま
ふと、意識が浅くなる
微かな過去の断片が脳裏に浮かび
それが、再生された
それは小学校低学年頃だ
「将来の夢」と言うテーマの作文…
それが宿題に出た時
璃優と璃乃はすぐに終わらしていた
二人共、似たような内容で彼女達の夢は"お嫁さん"だった
しかし、俺は中々書けなかった
俺の夢は多過ぎた
空を見上げれば飛行機のパイロットに憧れ、
海を見れば船乗りに憧れ、
道路を見れば車のドライバーに憧れ、
線路を見れば電車の運転手に憧れた
しかし、どれもピンと来ない
考えてる内に俺はある事に気付いた
俺が憧れていたのは"彼ら"ではなかった
それは、飛行機であり、船であり、車であり、電車であったのだ
…俺は何処か遠くに行きたかったんだ
俺の夢は『旅人』や『風来坊』だったんだ
その事に気付いた時、
俺は別の事が引っ掛かった
それは家族…特に二人の事だ
本当はその時から気付いていたんだ
この柵を断ち切れない限り、俺が望んだモノは手に入らないって事に…
第3話 柵




