20/35
0.新しい家族‐彩葉side
斗神彩葉の息子──斗神夏伊が神板愛美と結婚する。
それは新しい家族が増えるということを表していた。そして、今、夏伊と愛美の結婚式の最中。そして、指輪の交換をするところ。指輪はお互いの左の薬指にはめる。
そこには“家族の糸”を示す、“緑色の糸”が在るところ。そして、それが彩葉には見えている。
(家族……)
今は“家族”に対して、そんなに嫌な感情は感じていない。今“家族”に対して感じているのは喜び、愛、幸せなどの良い感情を感じている。それも、彩葉の隣に座っている彩葉の旦那の斗神龍緒のお陰だ。
(龍緒さん、ありがとう……)
夏伊と愛美の指輪の交換が終わると、夏伊と愛美の薬指に在る緑色の糸が、彩葉と龍緒、そして、愛美の父親──神板巧と愛美の母親──神板美子乃、そして愛美の祖母──神板百合と繋がった。
(こんなにも繋がってる……。幸せ……)
今は幸せと感じるこの緑色の糸。彩葉は自身の薬指に在る緑色の糸を見つめながら、思い出していた。彩葉がまだ、“斗神彩葉”ではなく、“樹深彩葉”だったときの事を。




