王立陸軍の戦車兵
Sherman Fireflyを受領した4人は、大規模戦闘で奮闘するようです
Sherman Fireflyがいかに素晴らしい戦車かを広く知ってもらうために書いています
つまらない上時代・兵器考証も詰めが甘いですが予めご了承ください
最初の1発は砲の具合や風の向きなどを調べるために撃ったため、命中はしない
2射目から狙いをつける
「第2射…発砲」
しかし弾丸はティーガーの側面に浅い角度で着弾した
当然、貫通はしない
手すきのエリックが双眼鏡を持ち出し敵の様子を眺める
「第3射、発砲!」
ジョンが狙いをつけ、17ポンド砲が放った弾丸が飛翔していく
ティーガーの正面装甲に着弾した
駄目だ、と誰もが思った瞬間、砲弾は貫通し黒煙が上がる
17ポンド砲は、彼らの経験を上回る貫徹力を有していたようだ
「命中!ティーガーを…撃破!マジかよ…」
エリックが信じられないという表情で報告する
敵戦車は突然のことに対処が遅れ、混乱している
その間に砲弾の装填が終わった
「再装填!」
「第4射、発砲!」
4発目はティーガーの砲塔正面に当たり、ものすごい金属音とともに弾丸が砕けた
敵はなおもその場にとどまっていたが、ティーガーを先頭に隊形を整えた
「装填完了!」
「第5射、発砲!」
今度こそ操縦手の覗視孔付近に命中し、貫通した
しかし、まだ射撃をしてくる様子を見ると、撃破には至っていないようだ
すかさず第6射目を叩き込む
燃料に引火したのか、炎が上がった
「命中!ティーガー撃破!現在撃破2」
「次、パンター!あと無線で救援要請!」
グレアムの指示とほぼ同時に、パンターがこちらに向かって射撃してきた
しかし砲弾は車両のはるか右側に着弾した
どうやら場所までは特定していないらしく、あてずっぽうに撃っているだけのようだ
テリーは無線で現在座標と敵の数を伝え、救援要請を出した
そして、装填作業に入る
「第7射目、発砲!」
第7射目は敵車両に当たらず、敵戦車付近の土をえぐった
「装填完了」
「第8射目、発砲」
第8射目は先頭のパンターの履帯に命中した
履帯と転輪が粉々になり外れていく
「装填!」
「第9射目…発砲!」
ジョンは車体正面の下部を狙ったつもりだったが、またもや履帯に当たる
弾丸は残り少ない転輪を破壊していった
パンターの車軸は自重に耐えきれず歪み、その場から動けない状態になる
「パンター、擱座!現在撃破2、擱座1!」
「敵の狙いが正確になりだした。次を撃ったら移動するぞ」
さっきから砲弾が近くをかすめる回数が多くなった
流石にこれだけ撃たれたら当たるのも時間の問題だろう
グレアムは移動を決意した
「装填完了」
「第10射目、発砲!」
砲弾は車体正面の下部に命中したが、角度が悪かったようで貫通しなかった
「集中だ…ジョン、集中しろ」
ジョンは自分に言い聞かせながら目を瞑る
「予定通り移動する。次はあの岩の陰から砲撃するぞ」
グレアムが指示し、クルーは迷彩ネットや草木を外す
移動中、ジョンが信じられないことを言いだした
「車長、発砲許可をください。今なら、あのパンターに当てられます」
確かに、今走っている道は凹凸が少なく真っ直ぐだ
エリックの腕なら車体を安定させながら走るのは容易だろう
しかし、走行しながらの射撃が困難なのは、グレアム自身がよくわかっていた
「許可する。3発までなら射撃していいぞ」
残弾が心配なため、弾数に制限をかけて許可した
「再装填完了!」
テリーがバランスのとりづらい中、やっとの思いで装填した
ジョンはまず、同軸機銃を射撃し、弾の飛ぶ方向を確かめる
そして、照準器を覗き込む
「第11射目…発砲!」
そして…弾丸はパンターの砲塔側面に深い角度で命中した
撃破できない…と誰もが思った瞬間、
パンターは砲塔後部が丸々吹き飛び、爆発を起こした
「弾薬に引火した模様!現在敵勢力はパンターが2両残存!」
ジョン自身が、驚いたように報告した
後に聞くと、照準器の目盛りではなく砲のくせや今までの経験で
自然と飛ぶ方向が見えたとのことだった
「次弾を装填しますか?」
テリーが装填の可否を確認する
照準器を覗き込むが、敵車両は撃破した車両の残骸に隠れて狙えない
「いや、敵車両は狙えない。しなくていい」
ジョンは残念そうに舌打ちした
岩陰に到達し、射撃準備に入る
グレアムが周辺を双眼鏡で見回す
2時の方角から先ほどの2両が前方を横切るように走っていく
敵戦車は走行中のため、注意して狙うよう言う
「了解。テリー、弾丸を装填してくれ」
ジョンが照準器を覗き込んで狙いをつける
テリーが弾丸を装填するために弾薬庫の扉を開けようと手をかける
と、グレアムが叫んだ
「攻撃中止、装填中止!移動するぞ!後方の村まで後退!」
「もちろん、覚えていますよ。戦場で出会った敵は全て覚えています。
恐ろしく優秀な敵が、恐ろしく幸運な味方と戦っていましたね。
ああ、でも『幸運』って言うのはいい意味ですよ。
なにしろ優秀な兵士にしか幸運の女神は微笑みませんからね。
そうそう、あの時もいつも通りの仕事をしましたよ。いつも通りです。
如何なる時にも、積荷がなんであろうと、
責任を持って最後まで届けるのがモットーなんでね」
ロンドン ヒースロー空港 某エアライン所属 旅客機パイロット談