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仲間思いの砲手

Sherman Fireflyを受領した4人は、再訓練を経て大規模戦闘に出撃するようです

Sherman Fireflyがいかに素晴らしい戦車かを広く知ってもらうために書いています

つまらない上時代・兵器考証も詰めが甘いですが予めご了承ください

数時間後―

「まずは、死人がいなくてよかった。

怪我が治るまでゆっくり休んでくれ」

中隊長が医務室に入ってきた

どうやらクルーの安否を確かめにきたようだ

「それから小隊長のグレアム・ジョーンズ軍曹、

あとで私の部屋に報告に来るように」

そう言い残し、部屋を去っていった


ジョンが目覚めた

幸い意識もはっきりし、切り傷を3針縫った他には特に傷はなかった

「念のため、今日は安静にしておけとのことだ」

側に座っていたテリーが軍医からの注意を伝える

「僕は…砲手として…クルーとして失格だ…」

ジョンが悔しそうに拳を握りしめる


「…以上が戦闘経過です。

小隊全員の命を危険にさらし…

私の判断は…正しかったのでしょうか」

グレアムは中隊長を前にうなだれる

普段から訓練をしていれば、もっと早く発見できていれば…

後悔は尽きない


「戦場に出ている以上、危険に晒されるのは当然だ。

部下を死なせたくないのなら訓練をしろ。

神に祈ったって後悔したって敵の弾が逸れるわけじゃない」

中隊長が少し強い語調で諭す

「幸い、明日から4日間は訓練し放題だ。

弾薬だって充分あるぞ」


部屋を出ながらグレアムはクルーの弱点を洗い出す

エリックは指示に対する応答が少し遅い

テリーは装填速度が遅い

ジョンは射撃が下手なようだ

そして私は索敵方法

これから4日間、みっちり訓練するつもりだ


エリックには状況から車長の次の指示を予測することを指示した

戦車長用の教本を読み込み、中隊長に頼んで講義も受けさせる

エリックは戦車長の状況判断能力を身につけていった


テリーには体力トレーニングと装填時のフォームの見直しをすることを指示した

他の装填手にアドバイスをもらいながら訓練を行わせた

そして、フォームの無駄をなくしていくとともに、

走行中の効率的な装填方法についても学んだ

訓練が終わる頃には、分間約10発を安定して装填できるようになった


そして、ジョンは中隊一の名射手に訓練を依頼した

実際に17ポンド砲で朝から晩まで射撃訓練を行うこととなった

車体の揺れでどれだけずれるか、移動目標に対しての射撃などを学んだ

そして自車の照準器の癖も把握する


自分自身は偵察部隊へと赴き、王立陸軍伝統の偵察術を学ぶことにした

伝統的に、王立陸軍は索敵能力を重視している

彼ら偵察部隊は敵の真っ只中への強襲偵察から遥か後方での偵察まで器用にこなす

空挺部隊のような役割もしていた彼らの偵察術は地球上のどこでも通用した

グレアムは実際に偵察に同行したり、

兵員の話を聞いたりして索敵術を学んでいった


4日間は、あっという間に過ぎていった


1週間後―

「敵の大攻勢が予測される。

諸君はこれを迎撃し、現在の戦線を維持せねばならない。

敵勢力は精鋭で、新型車両の投入も確実だ。

しかし、我々ならば必ずできるはずだ。

各員、努力せよ」

大隊長が朝礼で話す

どうやら明後日あたりが出撃になるらしい

戦車の最終整備を行い、ミーティングを行う

出撃前夜は、皆が早めに就寝した


迎撃に出る

出撃当日は午前3時に集合だった

「眠い上に寒いだろうが、紅茶でも飲みながら聞いてくれ。

今回は激しい戦いになる。敵主力はティーガー及びパンターだ。

この攻勢を阻止せねば、戦線が崩壊する恐れがある。

各員にその義務を尽くすことを期待する。

細心の注意を払い、必ず生き延びろ!」

中隊長の訓示からも今回の作戦の重大さが感じられる


「リラックスして、いつも通りに。

さあ、出撃だ!」

グレアムの指示でシャーマンファイアフライが動きだす

エンジン音が辺りに響き渡り、地面が震える

ライトの光が前の車両の排気に反射しキラキラ光る

戦車の大軍団が、動きだした

「彼の射撃の腕は見事なもんだよ。彼が撃ってるときの姿を見たけどね、

銃と一体になったような感じだよ。素晴らしかった。

射撃大会でもなかなかの活躍だったよ。惜しくも準優勝だったけどね…

何より銃を大切にしてくれるのが嬉しいね。恋人のように扱ってくれるんだ。

彼の銃を作れたことを光栄に思うよ」

ロンドン市内 銃製作職人談

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