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キスが嫌いになったわけ  作者: 山口 にま
第五章
17/26

地獄巡り

 グループでの話し合いの結果、私たちは太宰治展のデザインを課題にすることに決めた。

「問題は太宰の生家の斜陽館資料よね。私、近いうちに現物を見に行こうと思うの」

私の発言に皆は驚いた顔をする。

「都合が合えばみんなで行きたいところだけど、とりあえず代表で私が。余裕があったら恐山でも行ってみようかな」

「私も行きたい」

そう声を上げたのはレイ子だ。

「だって青森よ?」

今度は私が驚く番だ。

「行きたいの。いつ?」

「宿が取れ次第。多分土日で」

「分かった。日程が分かったら教えて」

「レイ子が行ってくれるなら心強いわ。温泉も泊まろうね」

そこで莞爾も口を挟む。

「俺も行こうかな」

「莞爾、お前もかよ?!」

一同瞠目。グループの仲間たちは互いに顔を見合わせ、「じゃあ俺も行くわ」「俺も」「私も」とあっいう間にグループ制作合宿が開催決定となった。


 青森市内の浅虫温泉の宿はすぐにとれた。レイ子に伝えると飛び上がらんばかりに喜んだ。

「宿は安いところにしたけれど、交通費が結構かかるよ。大丈夫?」

「うん、大丈夫」

レイ子は強く頷いた。

「莞爾は?」

「俺も有名な建築物は見ておきたい」

とこちらも異存はなさそうだ。他の三人は「やっぱり都合がつかなかった」と辞退の意向を示す。結局、私と莞爾とレイ子の三人で旅立つことになった。


 金曜日の夜、私たちを乗せた夜行バスは一路青森を目指す。莞爾はバスのシートが窮屈そうにしていたが、すぐに寝息を立てた。レイ子と私は小柄なほうなので問題はない。私たちは小声で話した。

「恐山にずっと行きたかった」

レイ子は言う。

「でも勇気がなくってなかなか行けなかったの。唯恵が言い出してくれたから、この企画、乗るしかないなって」

「どうして行きたかったの?」

「高校生の時、お母さんが死んじゃって」

「あ、ごめん」

「いいの。魂って恐山に行くっていうでしょう?だからお母さんに会えるかなって思ったんだ」

「あの・・・・」

私は言いよどんだあと、

「イタコには会えないかも知れないけれど・・・」

「知っている。お祭りの時しか恐山に来てくれないんでしょ?イタコに会うのが目的じゃないの。ただお母さんの気配だけでも感じられたらそれでいい」

時計は十二時を回った。レイ子は目を閉じる。私もそっとデパスを口に含んで眠りについた。


 午前八時半、私たちは青森に着く。

「寒い」

レイ子はバッグからフリースを出して着た。私達はすぐさま奥羽本線に乗り込んだ。この列車を逃すと次は一時間半後だ。莞爾は寝たりないらしく列車の中でも目を閉じている。私とレイ子は駅の売店で買った弁当をつかいながら車窓の風景を眺めた。

 二回の乗り換えを経て金木に着いたのは昼前だ。

「ここは地の果てか」

莞爾はため息交じりに言う。

「斜陽館に入る前に何か食べようぜ」

私たちは斜陽館前の食堂で早めの昼食を取る。旅に出ると食べてばかりだ。満腹になったのか、莞爾は元気を取り戻し、手持ちの文学写真集をめくっている。そして立ち上がると、言った。

「よし、金持ちのお宅拝見だ」

「金持ち・・・」

私とレイ子は絶句する。


 実際の太宰の生家は「金持ちの家」以上だった。高額納税により貴族院議員の資格さえもある家柄だ。四メートル以上ある煉瓦塀は、小作争議に備えてのもの。当時は太宰の父の意向でこの屋敷の周りに役所、郵便局、銀行、医院、警察署が配置され、一族はこの土地に君臨する者として振る舞った。


 斜陽館に入館すると、すぐに広い土間だ。

「小作人が上がれるのはここまでか」

莞爾は写真を撮りながら言う。

「こんなすごい家に生まれながら学生時代は共産運動に熱心だったんでしょう?典型的な苦労知らずなお坊ちゃまだよね」

とレイ子。

「二人とも声が大きいわよ。聖地でそんなことを言わないの」

私は莞爾とレイ子を叱責した。

 中まで進んでいくと、ふすまを外すと六十三畳にもなるという大広間にたどり着いた。

「ここで誰もしゃべらずにもくもくとご飯を口に押し込んだんだね」

太宰はこの生家での食事を「家中にうごめいている霊たちに祈るためのもの」だと描写している。


 この館は一階十一部屋二百八十七坪 二階八部屋百十六坪、宅地六百八十坪である。家の中で迷子になりそうだ。

「ねえ本当に太宰は自分を人間失格だと思っていたのかしら?」

レイ子が言う。

「どんなに落ちぶれようが、この家に生まれた過去は消せないわ。いかに人間失格のことをやらかしたって絶対に人間失格にならないっていう自信があったんじゃないの」

私がそう彼の気持ちを推し量ると

「俺もそう思った」

小声で莞爾が同意する。

「『生まれてすみません』。貧乏人が言うならば分かるけれど、県内長者番付四位の家だぞ。生まれながらの貴公子じゃないか。しかも東大除籍。偽悪的なのが鼻につく」

莞爾の声には怒りが含まれていた。

「人間失格は職業作家として読者を楽しませるために書いたと私は思っているけれど」

私は太宰の擁護に回る。それでも莞爾とレイ子は太宰の人間性に大いに疑問を呈し続けた。

「やっぱり太宰は普通じゃない。この家を見て良く分かったわ。ある意味ものすごく成功した文学館だと思う」

レイ子は言った。

「問題は限られたスペースで、斜陽館をどう表現すべきかなんだよな」

莞爾は館の内部を見渡しながら言う。

「近くに雲祥寺っていう太宰がよく遊んだお寺があるからそこにも行こうよ。そして三時半には金木駅に戻ろう。浅虫温泉までは三時間近くかかるのよ」

私は二人を急き立てる。

「やっぱりここは地の果てだ」

莞爾は言った。私は彼の言葉を打ち消して、

「地の果ては明日の恐山よ」


 浅虫温泉駅に着いた頃には日はすっかり暮れていた。部屋に通され、私とレイ子は畳の上に横になる。

「今日は布団で寝れるんだね」

そのまま眠りに落ちそうになる。私とレイ子は互いを励ましつつ、湯殿に向かい体の汚れを落とす。昨夜は風呂に入っていない。安い宿なので湯殿も部屋も狭かったが、深夜バスで夜を明かしたことを思えば快適そのものだ。実際宿は清潔だった。食事の時間に隣室の莞爾をたたき起こし、三人で卓を囲む。普段ぜいたく品を食べなれていない貧乏大学生達はマグロやホタテなどの海産物を夢中で咀嚼する。

「やっぱりおいしい」

と莞爾。

「お酒もおいしいよ」

私は莞爾とレイ子の猪口に地酒を満たす。二人はなめる程度に口をつけ、それ以上飲もうとはしなかった。心なしかレイ子の口数が少ない。明日の恐山詣が気にかかっているのか。食事が終わると莞爾は早々と自分の部屋に引き上げる。私とレイ子はもう一度湯に入り、体が温かいまま布団に入る。レイ子は寝返りを打ち、まだねむくない様子だ。

「昨日からずっと乗り物に乗りっぱなしだね」

私は話し掛けた。

「ここから恐山まで結構あるんでしょう?」

「電車とバスで二時間ぐらいかかる」

「青森って広いね」

私たちは無言になる。ふいにレイ子が

「お母さんの写真を持って来たんだ。恐山に奉納しようと思って」

「そっか・・・・」

私はどう返答していいのか分からない。

「お母さんね、がんで死んだの」

「苦しそうだった?」

「最後の方は。だから、お母さんが死んだとき、悲しかったけれど、お母さんが楽になれたのだったら良かったねって思った」

「そう」

「変な話をしちゃってごめんね」

「とんでもない」

そのまま会話が途切れ、レイ子は寝息を立て始めた。私は布団の中で携帯をいじっている。陸からのメールが来ていた。明日迎えに行こうかという内容だ。返事を書いていると瞼が重くなったので、取り急ぎ「明日は遅くに大宮に着くので迎えはいいよ」とだけ打って携帯を閉じた。眠剤を飲まずに眠りに吸い込まれていくのは本当に久しぶりだった。


 翌朝も晴れている。日差しは強いのになぜか風が冷たい。私たちは列車で本州最北端の駅、下北駅に向かう。そこから恐山までバスが出ているのだ。私は祖母の形見の細い数珠を首からかけた。

 下北発のバスは霊場を目指す者しか乗っていない。恐山の縁起と共に賽の河原地蔵和讃がアナウンスされた。


これはこの世のことならず 死出の山路の裾野なる 賽の河原の物語

手足は血しほに染みながら 河原の石をとり集め これにて回向の塔を積む

一つ積んでは父のため 二つ積んでは母のため 三つ積んでは国のため

四つ積んでは何のため   

昼は一人で遊べども 日も入りあいのその頃に

地獄の鬼が現れて 積みたる塔をおしくずす


「親に先立って死んでしまった子供は、その親不孝の報いで仏の世界に行けません。そこで功徳を積んで仏の世界に行こうと考え、石を積んで供養塔を作ることを思いつきます。石を積み始めるも、完成前に鬼が来て壊され、何度積みなおしても壊されてしまいます。そこへ哀れな子らを救うために現れたのが地蔵菩薩なのです」


「ひどい話だね」

私は隣に座るレイ子に耳打ちする。死んでしまうだけでも可哀想なのに、その上成仏さえできないのか。レイ子は暗い顔をしてアナウンスを聞いている。バスはヒバ林の間を縫うように走っていく。 


「この先にある湧き水、恐山冷水は一口飲めば十年、二口飲めば二十年、三口飲めば死ぬまで若返るという言い伝えがあります」

そのアナウンスに私と莞爾は笑う。

「二口飲んだら私たち赤ちゃんになっちゃうよ」

「飲んでいいですよ」

マイクを通して運転手が言い、バスを路肩に止めた。路線バスなのに自由である。私たちは顔を見合わせつつも、その若返りの水を飲んでみたくなってバスを降りた。竹筒からこぼれてくる清水を掌に受けて口に含んだ。冷たすぎて二口飲むのがやっとだ。莞爾はごくごくとのどを鳴らして飲んでいる。レイ子はちょっとだけ口をつけている体だ。

バスに戻って運転手に礼を言うと、バスは再び霊場を目指して走り出した。


 恐山霊場着。バスを降りると三途の川と書かれた小さな橋を渡る。川のむこうは死者の世界だ

 

 恐山には温泉が湧いていて、火山性ガスがあたりに充満している。そのため草が生えず、岩肌あらわな荒涼とした風景が続いていた。

「こんなに寂しい所なの?人は死ぬとこんな寂しい所で・・・・」

レイ子の目には早くも涙が溜まっている。莞爾はその涙を見まいとして背中を向ける。

 私達は賽の河原地蔵堂に到着する。中に入ると、服やら写真やらがごちゃごちゃと並べられていたり、壁に貼りつけられたりしていた。

「これってもしかして・・・・」

こわばった顔で問いかける莞爾。私は皆まで言わせず頷いた。ここは遺品を奉納し供養する場所だ。

「赤ちゃんの写真もあるんだな」

莞爾が言う。こんな小さい子が賽の河原で石を積めるのだろうか、私はその疑問を胸の中にとどめる。頃合いを見計らい、莞爾の袖を引いて堂を出た。そっと、

「レイ子がお母さんの写真を奉納したいんだって」

と莞爾に耳打ちした。


 私と莞爾は二人であたりを探索する。地獄めぐりと称する遊歩道を歩いた。水のある場所は大体温泉だ。川底に汚らしく湯の華が揺らめいている。「血の池地獄」と呼ばれる赤い水たまりがあった。沈殿物は生理の時に出る血の塊みたいだ。莞爾はまじまじと見ているが、意味が分かっているのだろうか。やがて極楽ヶ浜と呼ばれる白浜と、その奥に真っ青な水をたたえる宇曽利湖が見えて来た。ここは強酸の湖。生き物はいない。美しいが、孤独な湖だ。

「あの世って何にもないんだね。喜びも悲しみも何にもない」


 私たちは静かに湖面を見つめた。風車の回る音だけがあたりに響いている。レイ子は私たちに追いついた。手には売店で買った風車を持って。ここでは花の代わりに風車を供えるのだ。風車の意味は輪廻。

 レイ子はしゃがみこんで白い砂に風車を刺す。レイ子の風車も他のものと同じようにかたかたと音を立てて回り始めた。ここにいるよここにいるよと霊が訴えているみたいだ。

「おかあさん」

レイ子は湖の向こうに向かって言った。

「おかあさん、おかあさん、おかあさん」

レイ子は砂の上に座り込んでしまう。

「おかあさん、ねえおかあさん。会いたいよ、寂しいよ、おかあさん、おかあさん、おかあさん!」


 私と莞爾は目配せをして、湖から離れた。私は莞爾に聞いた。

「レイ子をここに連れて来て良かったのかな?」

「本人が来たいと言ったんでしょ?ここまで来ないと気持ちが収まらなかったんだろう」

「なんだかすごいね」

「何が?」

「死んだ後もお母さんとレイ子は気持ちが繋がっているんだね」

私は母が死んだ後のことを考える。私は泣くだろうか。多分、泣く。それは娘から愛されずに一人で死んでいく母を同情して泣くのだ。しかし、私ごときに愛されなかったことが悲しいことだろうか。いや、屁でもない。母のために艶子と琴音が目の前の湖の水ほどの涙を流してくれる。

 逆に私が死んだら、母は泣くだろうか。

 きっと泣かないだろう。いや、泣く。子供に先立たれた母親を演じるためには泣かなければならぬのだ。


母には二度中絶経験があった。私を妊娠する前と、私の出産後。つまり、私の前後は水子である。

母には母なりの理由があった。

母は姉達を産んだ直後に妊娠してしまい、「間を置かずして妊娠した子は障害が出る可能性がある」と病院に強く勧められたから。それが最初の中絶。

次は、私の出産後。経済的に四人も子どもを育てられないと判断して堕胎。

中絶に関しては母ばかりを責められない。出産させるつもりもないのに妻を妊娠させる父も同罪である。しかし中絶経験を子どもに話したのは母である。

「私を選んでくれてありがとう」

私がそう母に感謝したとでも?とんでもない。母にとって私は条件が合わなければ掻爬しても良い子どもだったのだ。母は強烈な長子信仰者だった。艶子と琴音を堕すことはあり得ない。母にとって長子以外は長子に何かあった時の予備である。闇に葬ったところで恥でも何でもない。

母との間で諍いがある時、もっとやれもっとやれと誰かが私をけしかけている感覚を時に覚える。その誰かとは言うまでもなく生まれてこれなかった二人の胎児達だ。私の後ろに小さな胎児達がいて、どうやって母を傷つけてやろうかと目を光らせている、そんな絵が私の頭の中に浮かんでいる。


 「死んじゃあおしまいだ」

莞爾は宇曽利湖を見やりながら、誰に言うともなく言った。


 不謹慎な私たちは空腹に耐えることが出来なかった。寺務所そばの食堂に入る。レイ子には食堂で休んでいるとメールしておいた。私がうどんを莞爾がカレーを食べ終わるころにレイ子が食堂にやって来た。もう涙は乾いていた。

「私も食べようっと」

レイ子もカレーを注文し、意外にもすべて食べ切った。

「なんだかここっていいね」

レイ子は笑顔になっている。

「お母さんに会えたよ」


 私たちは三時過ぎに霊場を後にした。八戸から新幹線に乗る。十時には東京だ。もう夜行バスはこりごりだった。

 新幹線の中で私は飲まずにはいられない。自分の背中に浮かばれない霊たちがべったりとくっついているようだ。除霊の酒。もちろんレイ子にはそんなことは言えないが。レイ子も私と同じペースで酎ハイを空けていく。私はカップ酒だ。つまみはほやの燻製。

「気持ちの整理がついた」

レイ子は明るい声で言った。

「導かれるようにここに来たって感じだよ。私は一人じゃない、そう気づいた」

「そうだよね。レイ子がお母さんを思っているように、お母さんだって思っているよ」

「やっぱりイタコに口寄せしてもらったほうが良かったかな?」

レイ子は後悔している口調だ。ここで莞爾が口を挟んだ。

「俺のばーちゃんがイタコにやってもらったぜ」

「どうだったって?」

レイ子が身を乗り出す。

「方言が強すぎて分からなかったって。印鑑を押すときは慎重にとか、当たり障りのないことしか言わないらしいよ」

「そう、そうよね」

レイ子は軽く落胆の色を見せる。


 しゃべり疲れたのかレイ子はそのまま眠ってしまった。

「莞爾は眠くないの?」

私は隣の莞爾に聞いた。

「大丈夫。昨日は早めに寝たから」

「結構ハードな旅だったね」

「心身ともにね。でも楽しかった」

私は莞爾と共に行った日光での水垢離を思い出した。しかし柔術サークルのことは莞爾にとって嫌な思い出かもしれないので黙っていた。

「私の趣味に無理に引っ張り込んだみたいでごめんね」

「とんでもない。俺は結構感動した」

「何に?」

「恐山」

「私は怖かったけれど」

「何ていうか・・・死ぬことばかりを考えると、逆に生きることを考える」

「そうだね。死んだらあんな寂しい所に行くんだから、今を一所懸命生きたいと思った」

私は莞爾に同意した。

「唯恵とこんな風に旅に出るのは、日光での水垢離以来だな」

莞爾も同じ気持ちを抱いていた事を知り、私は安心する。

「私もそのことを思い出した。また武道を始めたら?莞爾はセンスがあったよ」

「センスなんかないよ。でもどこかの町道場でまた始めようかな」

「それが良いよ」

「唯恵も一緒に通うか?」

莞爾の誘いに私の胸は一瞬高鳴る。

「そうね、技を忘れてしまいそうだわ」

私は莞爾の手を掴み、そのまま手首を捻ってみる。莞爾の手は大きく温かい。

「痛いよ、効いてる効いてるって」

莞爾は大げさに痛がって見せた。

 新幹線はまもなく大宮だ。私はレイ子を寝かせたまま席を立った。ホームから莞爾に手を振ると、莞爾も手を振り返す。発車ベルが鳴ると新幹線はすぐに走り出した。新幹線を見送り、何かの第二章が始まりつつあるのを感じるのだった。


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