バレンタイン
なんかノリで書き上げてしまった・・・
「バレンタイン?」
りさは可愛らしく首を傾げる。
それだけで私は何とは言わないが色々頑張れる気がする。
「好きな子いるんでしょ?チョコ渡してみたら?」
りさに好きになってもらうなんて羨ましい。
その幸せ者に嫉妬に近い感情を覚えるが彼女の幸せを全力で応援するのが親友としての務めだ。
ただ……りさを泣かすと必ず殺す。
「ん……大丈夫 ちゃんと用意してる」
「そっか」
ズキッと胸が痛むがこれは何なのだろう?
その正体を掴めないまま私はりさと別れた。
バレンタインデーである日曜日が過ぎて月曜日。
りさにあげるための手作りチョコを持ってりさの家まで迎えに行く。
「おはよ……」
りさは目に見えて落ち込んでいて目を真っ赤にしていた。
「り、りさ!?大丈夫!?誰に泣かされたの!私が……」
ぽふっ。
そんな擬音が聞こえてきそうなほど柔らかいりさの体が私に抱きついてくる。
「昨日渡せなかった……一番大切な陽にありがとうって……拒絶が怖くて嫌われるのが死ぬほど嫌で」
「り、りさ ど、どういう なんで私に」
次にりさが言った言葉は衝撃的なものだった。
「陽が好き……笑いかけてくれる陽が、側に居てくれる陽が誰よりも好き……だからこれ受け取って!」
まるで判決を待つ罪人のように涙を流しながらりさはチョコを差し出す。
「りさ……ごめん」
私はそう呟いてりさの手を掴み、りさの家へ入る。
「すみませんりさと私、今日休みます」
その声にりさのお母さんはあらあらと微笑んだ。
りさは動揺しているがそのままりさの部屋に入りりさを押し倒す。
「え、え?陽、どういう……」
困惑しているりさに私の思いをぶつける。
りさの勇気を振り絞った行動が私の本当の気持ちを気づかせてくれたのだ。
「私も好き!りさが好きな奴が羨ましくて仕方なかった!」
そう言ってりさの唇を無理やり貪る。
「ぷはっ、待って!」
「待たない!」
誰であろうと暴走した私は止められないのだ!
「やめないと嫌いになるよ!」
「ごめんなさい」
訂正、りさ以外は止められない。
「馬鹿じゃないの!?女の子同士なんだよ!」
「だって告白してきたのりさだし」
珍しくりさが声を張り上げて怒っているが怒っている顔も可愛い。
「好きだよりさ」
そう言うとりさは顔を真っ赤にした。
「チョコ食べてみてよ 頑張って作ったから」
「うん」
チョコ食べ噛むと甘い香りが口の中に広がる。
「柔らかくて美味しいよ」
「そ、そう……」
照れたりさの顔を見て少し意地悪したくなった。
はむっ。
チョコを口に入れたまま、りさにキスをする。
「むぅっ!?」
淫靡な音が部屋の中に響き互いに唇を貪る
「ねえ、もっとやっていい?」
「馬鹿……」
りさはチョコより甘かった。
「あの子達、やっとくっついたのね」
うんうんと頷きながらドアに耳を当てる。
流石にそういう行為は見過ごせないがキスぐらいならいいと思ってたのだけれど。
「キスでこれだけ熱くなれるモノなのね〜」
いつ突撃してやろうかと私は黒い笑みを浮かべるのだった。