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非日常的な日常を  作者: 一八重
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とても簡易な面接を

時間は16時30分くらいだろうか。

外では辺り一帯が夕日によって染まり、赤く色づいていた。

そしてその景色を背に、彼女は俺を見つめている。


……ほんとに俺の事見てるよね?

実は俺の後ろに誰かがいてそいつの事見てるとかじゃないよね?

もしそうだったら死ぬほど恥ずかしいんだが。


「いっらっしゃい。お客さんかい?」


黙ってても仕方がないので俺から話しかけた。べ、別に空気が重くなってきたから耐えられないとかじゃないんだからねっ。

うわぁ…………俺のツンデレとかダレトクだよ……。


自分の気持ち悪さに吐き気をおぼえていると、彼女が口を開いた。


「あの、……貴方がこの店の店長さんですか?」


どうやら見ていたのは俺のことで間違いなかったようだ。よかったー、これで違ってたら今夜はうっかり布団の中で発狂するところだったぜ。


「そうだが、俺になんか用か?」


心の中で安堵しつつ問いかける。

まあ店長っていっても俺しか居ないんだけどね、この店。そろそろ従業員雇おうかしら、俺だけだとサボれねえし。

アルバイト募集の紙とか貼ってない俺が悪いんだろうけど。


だってめんどくさいし、最近の学生とか若い奴らって好きじゃねえんだよな。

挨拶しないわもごもご喋って聞き取れないわすぐにやめるとか言い出すわで、全体的に悪いイメージが多い。

いや、だからといって皆が皆そうじゃないことくらいわかってるよ?うん。

でもアルバイトとして雇うならやっぱしっかりした子のほうがいいよな。

ほら、あの某ジ〇リの『〇と千尋の神隠し』とかみたいなのとかさ。あの子の婆さんへの最初の台詞好きなんだよ。主に熱意が。

あの子見習ってもっと熱くなれよぉぉぉぉおおっ。


「ここで働かせて下さい!」


そうそうそんな感じ。やれば出来るじゃないか。


…………あんるぇ??


ちょ、今この娘なんて言いました?

働きたいって言ったよね。聞き間違いじゃないよね?

ここは断った方がいいんだろうか。


「いいぞ」


無理でした。

意志弱いなぁ俺。

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