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先生方の見回りが緩いかきついかで夜の部の盛り上がり方に大きな差がでてくるもんですよね

「来夢たちの秘密の花園へようこそぱんぱかーぱーん! です! ドキドキですか!?」




「あぁ……ドキドキでしたよ。お前の思っているのとは違う意味で」




意気揚々と部屋に帰っている途中で何者かに拉致られた俺が祐亜くんが連行された先は、誰の部屋かは知りませんがおんにゃのこの部屋でございました。来夢が楽しそうに、その横で柳が眠そうに、高宮さんが申し訳なさそうな表情で出迎えてくれました。




いやー道中で覆面を被せられた時は、アウトレイジの椎名桔平的な最期を迎えるんじゃないかとゾッとしましたけどね。

やめろ何するんじゃ!! 

ドライブ言うとろうが!!

ぱんかぱーん!!(物理)




「わ、私は反対したんだがな!?」




「えー? 亜弥ちゃんめちゃめちゃノリノリでしたけど?」




実行犯の二人が楽しそうに会話してます。頭おかしいんじゃねぇのこいつら。

こういうの先生の目とかをかいくぐって男子が部屋にきて、やれトランプやらなんやらのゲームで盛り上がってるところに先生の見回りがきて、慌てて布団に隠れたら女の子と同じ布団に隠れて急接近でドキドキってあれでしょう? 今週のゆらぎ荘でもやってたお約束の中のお約束じゃないですか。




浴衣姿の葵は敷かれている布団をめくると、こっちをさも当然みたいな表情で見つめてきます。




「祐亜、先生が見回りに来たら真っ先にこの布団に飛び込んできてくださいね」




女子サイドがアクティブすぎるんじゃ!! ヒくわ!!(千鳥ノブ並感)




浴衣姿の彼女たちはそれはそれはとてもとても魅力的です。

胸元が爆発しそうな高宮さんから、性格以外の全てがほぼ女性として完璧な葵に、それに追随する亜弥さん。ロリ枠として柳と来夢という一分の隙も無い豪華な布陣。

多分いまここが世界で一番いい香りがする場所と言っても過言ではありません。ええ!




しかし祐ぴょん、ここはぶれない!! なぜなら俺は結衣が好きだから!! この想いは騙せない!!

たとえこれが一方通行の想いでも!!




一方通行の想い……で……も……。




「あれ、ゆうっちなんで急にへこんでるの?」




「触れんといて下さい……」




一人完全な自滅をして地面に打ちひしがれている俺に高宮さんは優しく声をかけてきれてくれましたが、もうダメ。正直自信ないの……。

とか思ってたら、俺は一つ違和感を覚えました。




「あれ? そういえば樋口さんはいないんですか?」




そう、結衣の周りにいるバイオレンス集団の一角である癒しのトロ目樋口さんの姿がないのです。俺の言葉に高宮さんは頬をひとさし指の先でこすりながら、困ったように笑いました。




「あはは……レンレンは今日の班行動を無視して祐一くんと遊んでたことが生徒会の人たちにばれて今別室で指導中だよっていうね。他にも何人かいたみたいで……」




「ふぅ……杏華も暇というかなんというか、おおらかさがありませんよね。あうあう、弟の適当さを分けてもらえばいいのに」




ふはははははははははははははは!!!!!!!!!!! ぁぁぁぁっっっっっっざぁぁぁままままぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!

杏華ちゃんは学園の秩序を守ったんだ!!!! やったぜ!!




そういえば横でやれやれ顔でコメントしている人、俺の記憶が確かだったら副生徒会長だったような気がするんですけど……。




「ふふふ……今日のイベントなんて言わば前哨戦。そこでリスクを犯すなんて論外! 問題は明日ですよ、明日!」




葵が濡れたアンパン野郎の復帰明けみたいなテンションで口走ったその発言に俺は少しヒヤリとしてしまいます。まずいなこの会話の流れ……ろくなことにならないぞこの流れ!




「よっしゃ! 何します!? 枕投げします!? トランプ!? 人生ゲーム!?」




「明日はUSJ(※ユニバーサル・スタジオ・ジョコビッチ)での自由行動! ここで祐亜との行動を共にしたものが大きな一歩を踏み出すことに違いありません!」




ふぅ……だめだ。この流れ止められん。

どうする馬鹿正直に明日結衣と回る約束を先刻取り付けたと言ってしまえば、この人たちのこれまでのパターンで言うと邪魔しに来ること間違いなし。

ダメだ! 俺だって結衣と大きな一歩を……!




「あぅ……やれやれだぜぇ……です」




俺が熱烈な視線を集める中で、急に来夢が得意気な表情で両手を軽くあげて可愛らしいお手上げポーズを決めてみせると、小馬鹿にしたような表情を葵に向けたのです。




「何がやれやれなんですか?」




「葵ちゃんとやら……そろそろ現実(リアル)を見やがれです。ついさっきの祐亜たちの乳繰り合いを見ても何も感じなかったのですか?」




乳繰り合い言うな!! こっちは本気で漫才しとんねん!




「来夢はこの夏、祐亜に告白して玉砕しました。それではっきりと言われました。結衣が好きだ、と」




うっ……なにこの重たい空気。吐きそう。赤ちゃん生まれそう……。




「それで今日の結衣を見て、結衣も多分……祐亜のことが好きになってるって分かりませんでしたかね?」




………………………………え……? マジ?////////




「きっと来夢たちの付け入る隙なんてないんですよ、さっきだって二人で話していたってことは明日の約束をしていたってことですよ。あうあう……これ以上は野暮ってもんですよ、お嬢さん」




来夢、お前そこまで俺のこと考えてくれてたのか……。

あの夏の日、もう二度と来夢とは仲良くできないのかと思ったけど、とても優しい口調で、悲しそうでけれどしっかりとした表情でみんなに語り掛けるその姿はなんだかとても嬉しくて。

ありがとう、来夢。




けれど葵は何言ってんのこいつみたいな表情で来夢のことを見返しています。




「じゃあ、来夢ちゃんはそんな理由で祐亜のことを諦めるってことでオッケーですか?」




「まぁ、確かにそれとこれとは話が別ですね! 祐亜、明日来夢と二人で回りやがれです! ぶっち! 当初の予定なんてブチャラティ・ブッチィ!」




ドンガラガッシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!

ほげぇぇぇええええええええええええええええ!!!!!!!!!! ばっっっっっっっっっっっっっかぁじゃねぇぇぇぇぇええええのぉぉぉ!!!!!!!!!??????俺のささやかな感動返した後、急いで地獄に堕ちてくれる!?




「うふふふふ……祐亜。実際問題手頃な私にしておいた方がいいですってばぁ。あんな超絶美人さんと付き合ったら付き合った後とかも大変ですよ。その点私なんて絶対一途ですし付き合ったらすぐにえっちな事しておっけーですしうへへへへ……」




「どうせ上手くいきそうになってもこっ酷くフラれるに決まってるんですぅ……さぁ、命零してフュージョン、来夢と絶対零度しましょう……あうあう」




急に来夢と葵が妖しいオーラを纏い、両手の指をわきゃわきゃさせながらにじり寄ってきます。うわ~~~~きちがいだ!! だれかだれかきてくれ~~!!




「そこまでにしておけ、ば、ばかたれ! はしたないぞ!」




「いたっ!」

「あう!」




完全に襲われそうになった私めを救ってくれたのは沢木亜弥さん! 二人の頭に軽めのチョップをかまして静止させたんだよ! ありがとうなんだよなんとかさん! 人の事拉致しといてどの面下げてそんな事言ってるんだとか全然思ってないんだよ!

目を瞑って難しい表情をしながら照れたような表情を浮かべていた亜弥さんはすっと立ち上がると、入り口の方へ向かっていってしまったのです。どこに行くんですか抑止力さん!!




「私は結衣のことを迎えに行ってくる。柳はこいつらが祐亜に悪さしないか見ててくれ」




「おーらい。まかせて」




無表情のまま両手の指をわきゃわきゃさせている柳に全く説得力はなかったです。

亜弥さんはそれを満足そうに見ると、ホテルのスリッパをつっかけて部屋を出ていってしまったのです。

だ、大丈夫! それでもまだこっちサイドには高宮さんがいる!! 常識人っぽさそうな!!




「あ、あはは……長いものには巻かれろっていうか……面白そうな方に手を貸す主義なんですよ、有希は」




頬に紅をさしたように赤い高宮さんも、俺と決して目を合わせずに指をわきゃわきゃさせながら徐々ににじり寄ってきてます。そういえばあんたの下の名前そんなんだったなちくしょう!




や、やめてくれ……俺には心に決めた人がいるんだ!! 

ダメだ……男の祐亜くんは喜んでいるかも知れない……けれど『漢』の祐亜くんは悲しみにくれちゃうの!!




「ふふふ……柳さん一目見て分かりましたよ。あんた、祐亜に惚れてる」




「せっかくの修学旅行なのに祐亜分が足りていない。なのに祐亜は一日中女の子と二人きりでいちゃいちゃ……あなうらやまし……めしや」




「ねだるな、勝ち取れ……さすれば与えられん。あぅ、つまりそういうことなんですよ。」




やめて……いや、来ないで……




あぁ……ダメ……そんな……




あっ……電気!! せめて電気は消し……





いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!





シャラララ……う~~~~~~わぁ~~~~~~~~~




(テーブルの上のガラス細工の花瓶に添えられた薔薇の花弁がカーテンをかすかに揺らすほどの風に舞い、ゆっくりと地におちる。その花弁はもう二度と戻ることもない)




エクスタシー……エクスタシー……







そのあとのことは、よく覚えていません。

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