恋はいつだって戦争だって誰かが言っていました
やれやれ……、初々しいカップルだこと。
愚弟のダメっぷりと無駄なモテッぷりをこうまざまざと見せ付けられちゃ、吐きそうになっちまう。
俺はさして興味がなかったので目の前の上手い飯をガツガツと口に運んだ。しかしあの美人が本当に祐亜なんかをねぇ……まぁ正直上手く行くとは思わないけどな。
有希と恋は苦笑いを浮かべてるからいいとして……、あの4人はなんかやべぇぞ。
祐亜と結衣がゴミのような三文芝居で居なくなったこの食堂で異様な空気が漂っている。主にあのメス共のせいで。
「あぅあぅ……、ここは争っている場合じゃないですぅ」
「ええ、全く持って来夢ちゃんの言う通りね」
「むむむ……」
「結衣でも……祐亜は渡したくない」
ガタッ、と4人がほぼ同じタイミングで立ち上がった。何おっぱじめる気だよ……。
「みんな、気持ちは同じのようね。よろしい、ならば本作戦の指揮はこれより私が執ります。以降は廣瀬少佐と呼称するように。整列!!」
雪那先輩が凛とした声で言うと食堂の入り口近くに美少女女子高生が軍隊のように素早く、一糸の乱れもなく整列した。
確かこの間、絶賛殴り合いの喧嘩してたよなあいつら……。
「何をしている、杏華伍長」
「は!? 俺もっすか!?」
「何をしていると聞いている?」
「おーらい……すぐいきまーす」
いつものふざけた調子からマジモードに突入してる……こうなったら俺でも手が付けられない。
俺は仕方なく色ボケでアホ共の横に並ぶことにした。
渋々俺がアホ共の横に並ぶと、雪那先輩は険しい表情を浮かべて一人一人の顔をじっくりと見つめて、ゆっくりと語りだした。
「諸君 私は祐亜が好きだ
諸君 私は祐亜が大好きだ
平原で 街道で
塹壕で 草原で
凍土で 砂漠で
海上で 空中で
泥中で 湿原で
この地上に存在している ありとあらゆる場面での祐亜が大好きだ
美少女が繰り出したセクシーな行動に 轟音と共に吹き飛ぶ祐亜が好きだ
空中高く放り上げられた祐亜が 効力射でばらばらになった時など心がおどる
メインヒロインの攻略に上手くいかず悶々とする祐亜が好きだ
がっくりとうな垂れ、他のヒロインとのフラグを建てている時など胸がすくような気持ちだった
飢えた美少女たちが祐亜を蹂躙するのが好きだ
恐慌状態の祐亜がメインヒロインの攻略をあきらめ他作品で他のサブヒロインにデレる様など感動すら覚える
メインヒロイン主義のファン達を街灯上に吊るし上げていく様などはもうたまらない
泣き叫ぶファン達が 私たちサブヒロインの魅力にあてらればたばたと手のひらを返すのも最高だ
哀れ な結衣ファン達 が 雑多な小火器で健気にも立ち上がってきたのを
柳のクーデレの魅力で木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える
祐亜に滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に守るはずだった均衡状態が蹂躙され 祐亜が正しいルートに入る様は とてもとても悲しいものだ
祐亜に押し倒されて嘗め回されるのが好きだ
メインヒロインに先を越され 指を咥えてみているのは屈辱の極みだ
諸君 私はラブコメを 地獄の様なラブコメを望んでいる
諸君 私に付き従う大隊戦友諸君
君達は一体 何を望んでいる?
更なるカオスを望むか?
情け容赦のない 糞の様なラブコメを望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界のメインフラグを殺す 嵐の様なラブコメを望むか?
「 フラグバッキバキ!! フラグバッキバキ!! フラグバッキバキ!! 」
よろしい ならば戦争だ
我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする握り拳だ
だがこの暗い闇の底で一年もの間ニートとメリーになめられて堪え続けてきた我々にただのラブコメではもはや足りない!!
カオスラブコメを!! 一心不乱のカオスラブコメを!!
我らはわずかに一個隊 5人しかいないサブヒロインにすぎない
だが諸君は 一騎当千 の古強者だ と私は信仰している
ならば我らは 諸君と私で総兵力100万と1人の軍集団となる
我々を忘却の彼方へと追いやり 眠りこけているやるらを叩き起こそう
髪の毛をつかんで引きずり降ろ し 眼を 開けさせ思い出させよう
連中にカオスラブコメの味を思い出させてやる
連中に我々の性的魅力を思い出させてやる
天と地のはざまには 奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる
5人のサブヒロイン の戦闘団で
フラグを燃やし尽くしてやる
「最後の大隊 大隊指揮官より全空中艦隊へ」
第二次 メインフラグ破壊作戦 状況を開始せよ
さぁ 地獄を作るぞ 」
祐亜逃げて、超逃げて。お姉ちゃんじゃ、この人たち止められない




