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最近の男は狼どころかシマウマばかりと言いますが、シマウマってかなり気性が荒いみたいですよ


紫外線が燦々と降り注ぎ、アスファルトの上には軽く蜃気楼が発生している、そんな38度の真夏日(これ、もう古いんですね)




そんな中、俺は今高宮さんがチャーターしてくれたクーラーがガンガンに効いた広くてめちゃめちゃ快適なリムジンバスに乗ってます。エコばんざぁああああああい!! ひゃっほぉぉぉぉいいいいいいいいい!!!!




いよいよ、開幕しました。

結衣プレゼンツ夏のお笑いライブ合宿ツアー in 高宮家のおっぱい別荘。




くそみたいな紆余曲折あった結果全員が参加し、このバスに乗って各々楽しんでおられる次第です。




「祐亜、ここのネタなんだけど少しわかりづらいと思うのよね? だからこの部分を……」




結衣はノートに書かれたネタを指さしながら、俺の横の席で熱心に解説してます。




純白のワンピースを着ている結衣の姿は夏の浜辺でサンダルを両手で持ち、裸足ではしゃぐあの感じを思わせ、いつもは垂らしている後ろ髪を今日は耳の下辺りで二つに結んでいて超いいっす。うなじが……うなじが……っっっ!! ……っっっっっっいいっっ!!

はぁあああああああんんん!!!!




というわけでネタの内容は全然頭に入ってません、てへりんこ。




「祐亜、食べる?」




前の席から身を乗り出してポテチをそっと差し出してきたのは柳。

自分の髪とは異なる涼しげな青いタンクトップがよく似合ってます。




「ありがとうございます」




俺が軽く会釈をしてポテチを取ると、じっーと見つめてきた後に満足げな表情を浮かべて席に戻っていきました。




「ぎゃあああ!! 誰かこやし玉投げてくれぇぇ!!??」




「フフフ……杏華わかっているはずよ? 捕食は必要な犠牲だって!」




「フヒヒ……廣瀬先輩の言うとおりです……おとなしくジョビルイーに食べられているがいいですぅ!」




「じゃあ有希もびんじょーっと!」




「お前ら鬼かぁああああっっっ!!」




あっちでは最近はやりのモンハムことモンスターハムスターを姉貴、せっちゃん先輩、来夢、高宮さんの4人でプレイしてますね。ハムスターがいろんな装備をしてモンスターを倒していく大人気ゲームです。俺も持ってきてるから夜にでも混ぜてもらおうっと。




「みんな楽しそうでなによりだ」




前の席から身を乗り出して亜弥さんが俺に話し掛けてきます。




俺がいつぞやさしあげたカチューシャを頭に乗せて、楽しそうな表情を浮かべながら髪をかきあげてニコニコしています。




なかなかレアな表情だな……不覚にも少しばかりドキドキしてしまいましたよ。




「なかなかこんなにみんなにワイワイできる機会はないですからね。俺もかなり楽しみですよ、これから」




亜弥さんと柳とせっちゃん先輩が上手くやっていけるか不安ですがな! とは言わないでおきました。




「祐亜、遊びじゃないんだぞぉー! この旅の目的はライブなんだぞぉー!」




横から結衣が可愛らしく俺の頬を軽く小突いてきました。ハァハァ……ンギモッヂィ゛ィ゛。




「しかしあそこはもっと楽しそうだな」




亜弥さんが少し呆れたような表情でバスの後方を指差しました。




「なぁなぁ! 見て見て恋! 海が見えてきたぞ!」




「もう……そんな子供みたいにはしゃがないで下さい。けどそんな祐一さんも可愛いくて……いいです」




チッ




クソ祐一と恋さんがバスの後方の席でイチャコラこいてました。あぁ、胸糞わりぃっす。




「けど私は少し憧れるかもな……心を許せる異性の存在。なぁ、祐亜はどう思う? そうだ! 私たちの中だったら誰が一番いい?」




亜弥さんのこの台詞の直後、あれほど騒ぎまくっていたバスの中は水を打ったように静まり返りました。




ナチュラルになんてことを聞いてくるんだ……このなんとかさんは……。




分かる……みんな、耳だけこっちに向けてます。

来夢め、わかりやすく口笛吹いてそっぽ向いてるんじゃねぇ。




「えぇ……っと」




結衣でさえ、ネタ帳を持ったまま俺の顔をマジマジと覗き込んできています。無理、無理無理無理無理!!!! 耐えられないよ、こんなの!!




困りあぐねた俺は……。




「ZZZ……」




ドロン!! たぬき寝入りの術でござる!!




「……へたれ祐亜」


「……情けない男だ」


「……いくじなし」


「そいつ金玉ついてねぇから許してやってくれよ」


「ふぅ……やれやれですぅ」


「あちゃあ……一番最悪な答えだねぇ、ゆうっち」


「フフフ……でもそんな祐亜くんも好きよ?」


「恋見てみて! ヘタレがいるよ!」


「祐一さん、見ちゃダメですよ」




どいつもこいつも三点リーダーを多用しよってぇぇぇえええ!!!!!!!!




しかし、俺はバスが目的地につくまでひたすらたぬき寝入りをかましておりました。涙がちょっと出たのは内緒です。









バスに揺られること2時間、俺たちの住む街からかなり離れたその場所に高宮さんの別荘がありました。




木造の、いかにも別荘という感じですね。二階建てでかなり大きいです。すごいですね、読売巨人軍辺りが遠征キャンプとかで利用しそうですよ。維持費とか掃除とか大変そうです。




その別荘の横には、こんなに美しいレベルのものが日本に存在していたのかって感じのオーシャンブルーの海と白銀の砂浜が広がっており、そして別荘の裏手には入った瞬間に「人間カエレ」って何者かに言われちゃいそうな森林が広がっています。




バスから降りた一同はそんな、あまりに圧倒的な光景の前に言葉を失っています。




「あぅあぅ…ビバ高宮さんです! やはりそのおっぱいは伊達ではありませんでしたね!?」




「……ぅうん? む、胸は関係ないんじゃないかな? でもかなりいいとこだよ! 大自然満喫できちゃうから! さぁさぁ、みんな入った入った!」




来夢の台詞に顔を少し赤くさせ、ごまかすように俺らをせかす高宮さんは可愛かったです。



服やらなんやら入った鞄を片手に、高宮さんのおっぱい別荘に入ります。




玄関を抜けると綺麗な内装の広間がありアンティークの時計や置物がいっぱい置かれており、お洒落で高貴的な雰囲気を演出しております。




「いい感じじゃねぇか……」



「あら、すごく私好み」




凄まじくひねくれきった生徒会お姉様コンビも素直に賞賛してる辺り、この別荘のクオリティーの高さが伺えると思います。




「部屋は二人一組です。というわけで適当に組んで下さい!」




高宮さんが両手をパタパタさせながら、説明しています。




なら、俺は問答無用で祐一とか。




そんなことを考えながら手荷物から飲みかけのペットボトルのお茶を取り出し、口に含みました。




そして次の瞬間、結衣が挙手して高らかに宣言しました。




「はい! じゃあ私は祐亜と同じ部屋で!」




まぁ、吹きますよね? お茶。




ぶしゃっああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!




「祐亜てめぇ、汚っ!!」




姉貴に頭を小突かれました。




「いや、これは仕方ない。もう一度声高らかに言わせて頂きたい……こ れ は 仕 方 な い! !」




「黙れ!!」




「えんっ!!」




今度はもっと強くやられました。




いやいや、いつまでもこんな下らん漫才をしている場合じゃない。

俺は手荷物の中からタオルを取り出し床を急いで拭きます。高そうな置物に吹きかけなくて良かったです……。




「結衣……そ、その……正気か?」




亜弥さんが顔を赤く染め、軽く狼狽した様子でございます。




「いやぁーほら、明後日私たちライブだし、ネタ合わせとか、コンビとしてなるべく一緒にいた方がいいものができるかなぁー!っと……思ってみたり……」




勢いよく、そして言い訳がましく話す結衣はなんか普段の結衣じゃないみたいでした。最後の方もなんか弱々しかったし。




そこに顔を真っ赤にさせて来夢が勢いよく突っ込んできました。




「ダメダメダメダメですぅ!!!! 男は狼だからきっと祐亜に食べられちゃいますぅ!!!!」




ふむ……オブラートに包んだ、実に可愛らしい表現だ。




「あぁー、セックス的な意味でね」




そしてせっちゃん先輩がそれを剥き出しにしました。




「ダメ……いろいろと。私も我慢するから」




柳にも諭される結衣はなんだかすごく……可哀相です。




「じゃあ俺も恋と同じ部屋が……」



「死ぬがいい!」



祐一がなんか便乗してきましたが、ひと昔まえの三国のしゅうゆさんの無双乱舞の時と同じ台詞を叫んだ姉貴にボディーブローを直撃させられていました。




「面白そうだが、ダメだ! こんなへたれが何かするとは思えんが……倫理的に見てやはり俺は同意できない」




「結衣様、同意しかねます」




「むぅぅ……」




姉貴と樋口さんからも窘められ、結衣はいよいよ困った様子です。




勿論俺はノーコメント、だがこう言わせて頂こう。





私は一向に構わんっっっっ!!!!




「……ぁぅぅっ」




みんなに一斉に諭されて、結衣は顔を真っ赤にして下を向いてしまいました。



なにこれ……すごくかわゆいのですけれど。




ここは何か俺も気を利かしたことを言っておいた方がよいのでは……。というかせめて俺だけでも結衣の味方をせねばなりますまい!!

そう思いたち俺は結衣の横に立ち、胸に手をあててこう宣言しました。




「諸君に問おう!! 私に結衣にチョメチョメなことができる程の度胸があると思わんや!? いや、あるはずがない」






みんな一瞬、あ!って顔をしました。




「あ!……なるほど! ってなる訳ねぇだろうが糞ボケェェェエエエ!!」



そして案の定お姉様のノリツッコミが発動した次第です。






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