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ゆいの気持ち 1
「かぁ……我が弟ながらなんて罪作りな奴だよ、えぇ? どう思うよ、相方の結衣ちんよ!?」
私は祐亜と亜弥のことをゴールの近くで見ていた。すると、杏華が私の方に寄ってきて肩をバンバンと叩いた。
あんなに女の子の顔をしている亜弥を私は見たことはなかった。
祐亜に抱えられていた亜弥は本当に幸せそうだった。
ううん、亜弥だけじゃない。私たち以外には絶対心を開かなかった柳も、祐亜には異常なまでに好意を向けている。
……なんだろ、この気持ち?
……なんだろ、この胸のもやもや?
こんな感覚、私知らないよ、感じたことない。
「どしたよ、結衣?」
押し黙っている私を見て、杏華は少し心配そうに声をかけてきた。
なんで私はそんなことを言ったんだろう?
「なんというか祐亜が他の女の子にデレデレしてるのを見るのが、嫌だ」
好きじゃない、この気持ちは絶対恋じゃない、けど何これ?
「うわぁ……」
杏華は唖然とした表情を浮かべている。
その表情を見て、もう何がなんだかまた分からなくなった。
そしてふと、私はそもそも恋するとどんな気持ちになるかなんて今まで知らなかったことに気づいていた。




