勇者を狩る者 4
暗闇のさらに奥に佇む大きな城。
そこに住むのは無数の魔獣。
そして一番奥には大きな椅子に座り込んでる魔王がいた。
「暇だな」
「改行して放つ言葉はそれですか?」
大きな椅子の側面に立つのは魔王の側近である。
魔王もこういってしまうのは無理もない、なぜならここ3年間勇者が来ていないのだから暇で暇で仕方ない。
3年前は勇者が盛んに来ていたのに今は塵の一つもこの部屋に入ってこない。
「勇者は全員引きこもりにでもなったのか・・・・」
「あなたが城の周りの魔獣の難易度上げるからでしょ」
あまりにも勇者が大勢で来るから忙しくなるから選別しようとして城の周りの魔獣をいやらしい性能にしてしまったせいで勇者は近づくこともなくなり魔獣も今や宴会モードである。
「だってあいつら100人でかかってくるんだぜ!責めて5人だろ」
「ゲームでないので基本何でもアリですからね」
「何でもありって言ったて限度があるだろ」
「そうですね」
100人かかってきてもそれでも魔王は倒されなかった・・・・。この事実だけでもこの城には近づことはなくなるだろう。
十魔族の中で最強を誇る魔王ヴォーガス。多分この方に勝てるのはこの世であの勇者だけであろうからな・・・・。
「暇だからゲームやろう」
魔王がやるのはRPGである。
もちろん勇者がいて仲間を集めて魔王を倒すゲームである。
「魔王さまは楽しいですか?」
「いや、最近は低レベルクリアもしたし、アイテムも全部集めたからつまらんな」
ここまでの熱中ぶりに魔獣達もあきれる始末。
もともと人間たちが魔王を倒す切っ掛けの情報戦略、簡単に言うとプロパガンダである。
それでも人間たちは現実と幻想の勇者とイメージがあまりにも違うのですぐ廃れた文化である。
それを魔王は物珍しさでやってみれば度がつくほどの熱中プリである。
「新しいのほしいな……。」
「人間界から持ってきますよ」
「本当にか?!」