勇者を狩る者 3
勇者の最終目的は魔王討伐。この目的も今ではスローガンになってしまった。
理由はいくつもあってその中でも一番多いのはお金である。
怪物を討伐していけばお金は貯まっていく。ただ怪物に負けてしまうとお金が半分になってしまう。
お金を半分にされてしまう恐怖とある程度お金を持ってしまうと一生暮らせてしまうことが重なって勇者は引きこもりになってしまうのである。
いま魔王に近づくものは右肩下がりなのである。
そして彼女は勇者狩り。
勇者は怪物討伐よりも人から奪った方が儲かると考えてしまった。だから自分より弱い住民から横領、強奪、最終的には殺人まで行ってしまう。
その為に勇者狩りが存在する。
勇者が住人のものを窃盗、殺人を犯すとすぐに行動して排除してくれる者たちである。
総勢100人が各街に2から5人配置してる。そして彼らの存在は勇者たち好まれていないのである。無論、俺もそんな好んでいないのである。
「勇者は嫌いなのか?」
俺の質問に首を傾げるも質問に答え用と考えてる。
勇者狩りは実は理想を掲げてて勇者をそれに導くために頑張っていたのではないのかと考えた俺だが、俺の幻想は直ぐに打ち破られる。
「真面目な勇者は好きでもなければ嫌いでもない、犯罪を犯した勇者は人間じゃないから気持ち悪い」
・・・・・。
正直、勇者をそんな目で見ていたのかと思う。ちょっと勇者として引いた。
でも考えてみれば勇者でやる気あるの周りで俺なぐらいだしな・・・・。
彼女が立ち去ろうとした。急ぎの用事があるわけではないようで急ぎ足ではなかった。ところが俺は彼女の行く足を止める。
最後にはこれは聞かないとこれからの冒険ができない
「俺は勇者としてどうだ?」
彼女は俺を咀嚼するように観察して一言
「わからない」
ですよね。心で後悔と安心感が捩れていた。