隠しごと、仏頂面。
勇「お邪魔しました。」
美「明日、学校でなっ!」
陸「がんばってね^^」
飛「元気出せっ」
勇「はい⋯。んじゃ」
勇太はしばらく田中家に長居した後、
肩を落としながら帰って行った。
――明日、みんなに事情でも話して、
お疲れパーティーでも開いてやるか⋯
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[翌日]
美「おっはよ~う♪」
美玖は相変わらずハイである。
歩「おはよう^^」
歩は、やっと元気を取り戻していた。
茜「はいはい、おはよー」
圭「なんだ⋯朝から騒がしいw」
茜と圭介は、騒々しい美玖に半分呆れていた。
美「そーいえば、勇太来た?」
理「なんでー?」
美「いや⋯その⋯ 実は⋯
(勇太が受験に落ちちゃってたんだけど⋯
かわいそうだから、みんなで
お疲れパーティーでもどうかなって⋯)」
美玖は勇太に気を使い、
あまり周りに広がらないように
小声で伝えた。
圭「おぉぉぉ!!! お疲れぱーちーってのも
いいっすね先輩!!」
歩「美玖ちゃんやっさしい♪*.+」
美「あたしはいつから先輩になったのよ」
茜「じゃあ…企画は全部、美玖でいいよね!」
勇「ん? 何の企画ー?^^」
「「「「「あ……!!!!!」」」」」
沈黙が続く。
すると、勇太がみんなの顔を見る。
――ヤバい…バレたか!?
すると、
勇「え? 何? 俺、なんかヘン?」
と、案の定ではあったが、
聞いていなかったようだ。
美「はぁ…よかった。」
心の声が漏れてしまった。
勇「え? 何が?」
美「いや、何でもないす…」
理「こっちの話だよね^^;」
すると、勇太は眉にシワを寄せる。
まるで睨むかのように。
勇「本当に?」
美「うん」
その言葉に、勇太はほっとしたのか、
勇「わかった」
と微笑む。
歩「なんだか、一瞬怖かったね…」
茜「それだけ美玖のことが好きなのよっ」
圭「お前のことで知らないことがあると
嫉妬してんだろ」
美「んな馬鹿な…///」
と言いながらも、美玖は顔が熱くなった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[帰り道にて]
美「あの…佐藤様? さっきから何を
怒ってらっしゃるのでしょうか…」
勇「そんなん言われんでもわかってんだろっ」
勇太は、いかにも不貞腐れていますよ――
という顔をして言う。
というと、勇太は、昼休みの後あたりから
ずっと不機嫌なのだ。
美「わからないから聞いてるんでしょっ」
勇「だったら考えろやボーケ」
美「だから5,6時間目、
ずーっと悩んでるんでしょうが!
そのせいで授業の内容
全然頭に入ってないっての!」
勇「なんだよ、もっと悩め!」
美「なにそれー、
あたしをいじめているんですか?!」
勇「うん」
というと、勇太は不気味に微笑む。
美「(ビクッ) こっ…怖いよ;」
勇「ふっ、勝手に怖がってろw」
美「意味分かんないっ!」
そういい、勇太の言うとおり
しばらく深く考えてみるが、
やはりわからない美玖は
美「分かんない! 降参!」
と口を開く。
すると、勇太は
勇「仕方ねぇな…」
とつぶやいた。