運命の分かれ道。
しばらくすると、玄関の方から
ピンポーンというチャイムが鳴った。
勿論、誰が来たかは分かっている。
美玖は駆け足で玄関に向かった。
ガチャ
すると、勇太が顔を出した。
勇「ってなわけで、お邪魔しまーす♪」
勇太は遠慮することなく、
家の中にすたすたと入って行ってしまう。
美「お邪魔でーす♪w」
美玖も半分呆れながらも笑っていた。
陸「おー! 久しぶりーっ!」
勇「おーっ! 兄ちゃんも居たのか♪」
陸「うん^^ 勇太君が来るの、
楽しみにしてたーっ」
勇「そりゃ嬉しいこっちゃ★
呼ばれたらすぐにでも行くから」
熱が入った二人は、ずっと無駄話をしていた。
すると、また玄関から
ガチャッという音がした。
美「ん? 誰じゃ?」
美玖は玄関へのぞきに行くと、
マフラーで顔が埋もれた飛鳥が
寒さに頬と鼻先を赤く染めていた。
飛「やっぱ家はあったけーな!」
すると、飛鳥も勇太に気付くと、
飛「あ! 勇太だ!!」
と、一気にテンションが上がったのだ。
美「バカかこいつら…」
そんなことを呟きながら、
美玖はお茶とお菓子を用意していた。
陸「そーいえば、受験なんだって?」
勇「うん! 今日が発表^^ だけど、
パソコン禁止令が出されてるから、
ちょいと田中家のパソコンを
お借りしようと思ってw」
飛「へ~ぇ、こんな身近な所に
頭がいい奴がいたとはw
こいつと違って^^」
その言葉が、美玖の心に火をつけた。
美「なにそれ! ちゃ~んと
ここにもいますけど?」
飛「非受験生が頭いいとは思えませんな」
美「そんなんだったら、
自分も受験してから言いませんか?」
飛「あんだと? 俺は高校受験があるんじゃ!」
美「あたしだってあるわ!」
そんな飛鳥と美玖のバトルを見てる間、
陸は呆れ、勇太は面白そうに見ていた。
陸「あーもー、知らん知らんw」
勇「あ、パソコン借りるわー」
そんな間も飛鳥と美玖は
言い合いをやめなかった。
カチ
学校のホームページにつくと、
勇太は心を落ち着かせるために
ふぅ~っと、大きく息を吐いた。
カチ
いよいよ、数字だらけのページにやってきた。
と同時に、勇太は後ろを振り向き、
美玖たちに呼び掛けた。
勇「ねぇ、番号、見つけるの手伝ってー」
「「「は~い」」」
すると、パソコンの周りにみんな集まった。
ジ―――ッ⋯⋯
勇「ない⋯ ない⋯」
ジ―――ッ⋯⋯
美「ない⋯ ない⋯」
ジ―――っ⋯⋯
陸「ない⋯ ない⋯か」
ジ―――っ⋯⋯
飛「ない⋯ ないっ⋯な」
勇太の指はスクロールし続ける。
その間、沈黙が続く。
ジ―――――――――っ⋯⋯
ジ――――――っ⋯⋯
ジ―――っ⋯⋯
しかし、ページの最後まで来てしまった。
勇「あれ⋯」
美「ちょっと⋯」
陸「この展開⋯」
飛「ヤバくね⋯!?」
美「って、お前が大事なセリフ言うな!」
飛「だって順番的に⋯」
勇太というと、
勇「な⋯い⋯。」
と、放心状態だった。
陸「ん―――、もう1回見たけど⋯
残念ながら⋯」
美「⋯まぁ⋯ドンマイ⋯ということで」
そう言い、美玖は勇太のほうを見る。
が、勇太の顔は、死にかけのフナのようだった。
勇「そんなぁ⋯」
勇太は崩れ落ちた。
そんな勇太を飛鳥が肩をポンと叩く。
飛「まぁまぁ、高校が⋯あるさ」
――まぁ、そんなに真剣に勉強してなかったし⋯。
塾はいってたけど、やっぱり
寝る気も惜しまなきゃダメってことか⋯;
とりま、ドンマイ⋯。
美玖はそう心の中で励ましていた。
ヘタレ勇太~♪w 受験に落ちてしまいました;
どうなってしまうのでしょうか?w
一緒に、二人の恋も崩れないといいですが^^