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フェイク  作者: ひなの.com
61/67

期待、退屈。


冬休みが開けると、茜と圭介の騒動で


クラスが充満していた。


おそらく、茜も圭介も自分で


情報を漏らしたのだろう。


美「まさかこの時期にこんな展開とは」


勇「誰もが予想しなかっただろう」


美「二人の仲は深まるばかり」


勇「こうしてクラス公認カップルとなった」


勇太と美玖は茜と圭介と会うたんび、


嫌味のようにそんなことを言うのだった。


圭「お前らだって公認だろ?」


美「あたしが公認してない」


美玖は顔を赤くして首を振る。


勇「俺だって公認してない」


勇太は冷淡とそう言い放つ。


その二人の言葉に、


茜が横から口を出す。


茜「は? カレカノ=公認している

  ってことでしょうが!!」


すると、美玖も負けじと口を出す。


美「いつからカレカノよぉー」


勇「そんなんしらね」


すると圭介が大きな声で


圭「お祭りのときにキスしてたくせに

  よくそーいうことがいえるよなぁ^^」


とわざとクラスに響くように言った。


勇&美「そっ、それは⋯///」


すると、たちまちクラスは勇太と美玖の話になり


段々と近寄ってくる。


「えー?」


「なにそれー」


「いついつ?」


「どんな感じで?」


勇&美「しらないよ!!」


そんな教室の傍らで茜と圭介が避難していた。


そして、こそこそとこんな話をしていたのだった。


圭「ほら、これで話題はあの二人にっ」


茜「流石圭介っ♥」


圭「あの二人が認めるところもみたいしな」


茜「もうあの二人、お姫様と王子様だよね?」


圭「リア充過ぎて憧れちゃいますぜ」


茜「ですぜっw」



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



圭介と茜が一緒に帰るようになってから


美玖は一緒に帰る人が居なくなってしまった。


理央と歩は二人で一緒に帰ってしまい、


簡単に入れるような空気でもない。


美「今日もまた1人だよぉ」


そんなことで、美玖は毎日勇太に愚痴をこぼしていた。


ほんの少し、期待も寄せながら。


勇「そんなん勝手にしろよ~」


勇太は無責任にランドセルに教科書を詰め込む。


美「なんで、ひどぉい!!」


勇「俺に言われてもどうにもなんねーだろ?」


そんな勇太に美玖は怒ってしまった。


美「決めつけないでよっ」


頬を膨らませながら、投げやりにランドセルを


背負い、教室を去る。


そして美玖は独り、今日も退屈な下校を


送ることとなってしまった。


――あの時にちゃんと言ってた方が良かったのかなぁ⋯


そんなことを胸にしまいこみ、独りで歩いていた。



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



そのころ...


勇太は何も気づかないまま


淡々と教室を去ろうとした。


が、すると教室のドアのところに


二つの壁が立ちはだかる。


圭「あーあ、帰っちゃったよ?」


茜「追いかけなくていいの?」


二人は通せんぼをするように立っている。


勇「なんでさ?」


圭「あー言うこと言っている女子っていうのは」


茜「結局はその男子と帰りたいっていう合図なわけさ」


圭「ほんと鈍感だなぁ」


勇「はぁ?」


茜「ほら、追いかけろっ!」


茜は無理やり勇太の背中を押し、


追いかけるようにと命令した。


勇「うわっ!」


勇太は押された拍子に転びそうになったが


そのあとすぐに立ち直り、一回圭介と茜の方を振り向き


「まじで?」といった顔をした。


圭介「早く行けよ」


茜「彼女が待ってるぞ」


その言葉で背中を押されたのか、


勇太は美玖を追いかけて行った。


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