複雑、迷い。
このままずっと平和に卒業式を迎えるのだと
誰しも思っていた。が、現実はそううまくいかなかった。
時がたつにつれ、教室は静電気が何回も起こっているかのように
ピリピリモードが充満した。原因はもちろん受験生だ。
しかし勇太はむしろその逆で、それでも受験生か
というぐらいに気楽モードであった。
美「お前それでも受験生かこのっ!」
勇太をグーで軽く殴る。
美玖は心配する母親のように、
頬を膨らませ腕を組んでロッカーに座っていた。
勇「ダイジョブダイジョブ~♪
俺、神だから♥」
その美玖の横で、勇太は窓から外を眺めていた。
美「そーいや、あんた何処の中学行くの?」
勇「ん? 結構頭いいとこで、
模擬だと5割って言われちった⋯
けど、俺本気出すし!!」
美「今まで本気出してなかったんかい⋯;」
勇「お前は??」
美「あたしはすぐそこの東中よ」
勇「あー、俺、受験落ちたら
そこ行くんだよね」
美「そう⋯」
美玖はなんだかその言葉を聞いて複雑な気持ちになった。
勇太が受験に受かれば、一緒に喜ぶことができる。
が、その反面、学校は離れ離れになってしまう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
まちにまった冬休み!!! では、
仲良し4人組といつもの男子2人で
ほぼ毎日遊んでいた。
今では、仲良し6人組のようになっている。
遊ぶ場所はいつも決まっており、
殆ど美玖の家か勇太の家だった。
二人の家にはゲームソフトがずばぬけてあり、
それにハマった他の4人が毎日のように
田中家と佐藤家をリクエストするのは
言うまでもない。
しかも、
勇「ご主人様にはゲームもやらせてくれねぇのか」
美「そうよそうよっ! 提供者である
あたしたちがいるから、ゲームができるのっであって――」
しかし、そんな話は誰も聞かず、
棚の中にある数百本に及ぶゲームソフトをセレクトしている。
美「やっぱ聞いてないや⋯」
勇「そろそろひきこもりはやめて
どっか外行こうぜ。」
美「自分家で何しても面白くないっ」
勇「俺たち、ちょっと外行ってくんわ。
留守番頼んだ」
すると、唯一ゲームではなく
読書をしていた歩が返答する。
歩「いってらっしゃいませご主人様。
⋯⋯なんてねっw」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
勇「なーんて出てきたけど、」
勇&美「結局行く場所ないじゃん!」
勇「でもひきこもりは体に悪いぜ」
美「ノイローゼになっちゃいますぜ」
勇「まぁいいや⋯とりあえず、
ゲーセンでも行くか。」
美「え?やだよー。この前変な人に絡まれて
⋯トラウマが⋯ひぃっ」
勇「俺がさせねぇからダイジョブだっ
さ、いくぞ~」
美「え~?」
勇太は美玖の手を引っ張る。
美「まぁいっか⋯」