寝顔、動揺。
4日目 .▼
 ̄ ̄ ̄ ̄
美「校長先生の話、長いねー」
勇「相変わらず、な」
レクレーションホールでは、
退園式が行われていた。
校長「もう、小学校生活で、このような体験を
できることはありません。
最後まで、思う存分楽しんでください。」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
バスで、学校に帰る途中、
勇太が突然こんなことを言いだした。
勇「もうさ、卒業なんだよな」
美「うん。早いね」
勇「うん。」
すると、勇太が美玖に寄りかかった。
美「え?」
美玖は勇太の顔を覗き込むと、
可愛い寝顔が見えた。
――なんだ⋯寝てたのか⋯
美玖は、安心していつの間にか
眠ってしまっていた。
茜「ねぇねぇ、見て見て^^」
通路をはさんで隣に座っていた
茜が、その様子を見て、みんなに呼び掛けた。
「おうおう、ラブラブですね」
「可愛い寝顔だこと」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「美玖ー! あんたいつまで寝てんの!!」
その声を聞き、美玖は目が覚めた。
すると、美玖の顔を覗き込む茜の顔があった。
美「うわぁ!」
美玖はびっくりした拍子に体を動かすと、
何かがよりかかっていることに気付く。
美「ゆっ、勇太??」
茜「あー、それも、起こしてもずっと起きなくて。
茜は指で勇太を指す。
美玖も、勇太の体を、ちょんちょんと、
指でつつくと、勇太は目を覚ました。
すると、茜の隣の席に座っていた圭介が
顔を出し、からかい始める。
圭「やっぱり似た者同士ですねー♥」
勇「ふぇ? 何の話よ?」
茜「あんたもちょっと!」
バシッ
圭介は茜に叩かれた。
茜「あ、あと5分で学校につくってさ。」
美「おー!! まじでか!!」
勇「お前はテンション高ぇなぁ⋯
俺は、気持ちよく寝てたのにっ」
美「勇ちゃんの寝顔、
超可愛かったですよー??♥」
勇「はっ、はぁ?!///
な、何言ってんだよ!!」
圭「おおー、動揺しまくっていらっしゃる^^」
勇「どっどっ⋯///」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
美「じゃ、茜、一緒に帰ろー!!」
茜「あ、今日、お母さん迎えに来ちゃうんだー。
荷物持ちなんだけどさ⋯w だから、ごめそ><」
美「えー? 歩は?」
歩「あゆは⋯今日はおばあちゃん家によらないと
行けないから、ごめんっ」
美「そっか⋯」
しょんぼりしながら歩いていると、
後ろから頭をチョップされた。
誰かと振り返ると、勇太だった。
美「何してんのよ?」
勇「いや、帰るヤツいないから⋯」
美「へーえ、どうせあたしは雑用ですね、はいはい。」
美玖は不貞腐れたような顔をすると、
同様に、勇太も不貞腐れたような顔をした。
勇「そんなつもりで言ってるわけじゃないしっ」
すると、勇太は美玖の手を取るようにつなぐ。
美「え??///」
勇「たまにはこーいうこともさせろよ。」
勇太は俯きながら小声で言った。
多分、顔は真っ赤になっているだろう。
そんなことを想像した美玖は、
美「ははっ⋯^^ ばっかだなあぁ」
と笑ってしまった。
勇「少なくともお前よりはバカじゃねえぞ?」
美玖に微笑みかけながら勇太はそう言った。
美「別にいいもん!! あたしは受験とかしないしー」
勇「俺はするし!!」
すると、美玖は少し考え込んだが、
美「頑張れよー」
と、微笑んだ。