解放、安心。
3日目 .▼
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3日目は、いろいろな観光地を回った。
不安や悲しみが一気に晴れ、
勇太も美玖も思う存分はしゃいでいた。
茜「無邪気だねーあの子たちは」
圭「昨日までの“アレ”は何だよw」
理「何があったかはわかんないけど⋯」
歩「何がともあれ、良かったってことだよね♪」
圭「それにしても、イチャイチャしてるところ
はじめて見たわー」
茜「やっと縄が解放された感じなんじゃないの?」
皆、腕を組みながらそんなことを話していた。
バスの移動時間も、昨日までは無言だったものの、
今ではずっと喋りっぱなしで、そのくせ止まらないのであった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
3日目は、イベントのようなものはなかった。
6時から8時までは自由時間で、
どこの部屋にも行き来していいということだった。
勇「いえ~い!!!」
美「時間厳守とかそーいうの、」
勇&美「面倒臭いんだよね~♪」
二人は、202号室で寝っ転がっていた。
また、その他の連中は203号室で避難していた。
「あいつら何しでかすかわかんねぇからなw」
「それに、邪魔しちゃ悪いし⋯」
そんなことを言いながらも、壁に耳を当て、
盗み聞きしようとしていた。しかし
美「こないだ貸したゲーム
何処まで終わった?」
勇「えー? まだ全然だけど
5人目のボス倒したところ」
美「え?! 早くね? あたしそこまで
1週間ぐらいかかったし!!」
勇「は? 俺2日だしー♥」
美「どうやったらそんなにできんのー?w」
勇「俺は毎日ずぅっと没頭してんだよ!w」
美「あたし、RPG系よりほのぼの系のほうが好きだし!」
勇「RPGの素晴らしさをわかんねーのか?w」
美「だってあたしは武器買って薬草買って
そのあとにボスとかに挑むもん!!」
勇「なんだよ~ 突っ走れよ!
Continueしまくれよ!!」
などという、くだらない話しか聞こえない。
圭「もっと⋯デートの約束とかしないのかよ」
茜「あいつらはデートって言うより、
ただの遊びなんじゃない?
デレデレとかはしないしさ」
理「ま、でも、両想いってことは
頭の片隅に入れてるって
勇太君が言ってたよー」
歩「じゃ、カレカノは、後から付いてきてる
ってことなのかなっ」
圭「ずるいよなぁ⋯。ま、どーでもいいけど。
俺は作ろうと思えばいつだって作れるからな!」
茜「へぇ⋯見てみたい」
すると、隣の部屋からこんな声が聞こえた。
美「もう⋯明日で終わりなんだね⋯」
勇「うん。」
美「みんなは⋯告白とかしないのかな?」
勇「そーいえば、山崎が佐々木に告ったけど
失敗したって言ってたけど?」
美「うそぉ! 翔太が⋯美優ちゃんのこと?
でもなぁ⋯あんな顔じゃモテねぇぞっw」
勇「俺には女心だ乙女心だなんで言われても
わかんねぇや! 特にお前は^^」
襖の隙間から勇太が人差し指を美玖の額に
ツンと、当てている様子がかすかに見えた。
「「「(おおーーー!!!)」」」
圭「隠れたイチャつき。」
茜「ははっw なんじゃそりゃ」
美「な、何よっ、いったいなぁー」
照れながらも、勇太の指をはらう。
勇「もう最後だ⋯な。」
勇太は頭をかきながらつぶやいていた。
美「いいじゃん!! そろそろみんな
家がいとおしくなるぞぉ??^^」
勇「俺はもう既に帰りたいわぁ」
美「あたしも」
すると、二人は顔を見合わせ、笑っていた。
圭「先輩! あれはほのぼの系ですか?
それとも、ラブラブ系ですか??」
茜「んー、私にもわかんねっ」